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酸化した世界で君と詠う

第22章 魔人の策略


「何故そう思うのです?」

「私ならそうするからさ」

「似た者同士というわけですか……いいでしょう、私が盛った毒は“共食い”の異能です」

「!」

「二組織を潰すのは私ではありません、貴方がたです……ある犯罪者が持つウイルス型の異能です、極小型の異能生物がた四十八時間かけて成長し宿主二人の体を食い破ります、但しその前に宿主のどちらかが死ねば異能は停止します」

「社長を救うには、もう一人の宿主である森さんを殺すしかない……」

「異能無効化は諦めて下さい、重要臓器内に隠れたウイルスを探して触れるのは自殺行為です、どうします?マフィアと相談でもしますか?……人は罪深く愚かです、策謀と知っていながら殺し合うことを止められない、誰かがその罪を浄化せねばなりません、故に私は“本”を求めるのです………こんな風に」

太宰が撃たれた

「狙撃手……私の行動も予測済みか……」

「急所は外させました、貴方にはマフィアとの衝突を知らせる役がありますから」

「君と私は同類だと言ったね、確かに同類だが一点だけ違う………確かに人は皆、罪深く愚か……だからいいんじゃあないか」

「貴方……狙撃手の存在を知っていましたね?その上で情報を得る為わざとここへ……」

「“本”の正体は一冊の小説だ……書いた事が事実となる白紙の文学書」



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