第10章 過去と今✳︎山峰大輝
明結『ふっふふふふーん♪』
鼻歌を歌う女はブランコの揺れを徐々に大きくしていく
あの女、こんな雨の中なにがしてーんだ?
いつもならあんなやつほっておくが、俺の目は女だけを写してそれ以外は何も見えなくなってた
明結『みんな、みんな、消えて無くなってしまえばいいのにな〜♪』
大輝「っ!?」
口は笑ってた。
声は笑ってた。
目は笑ってた。
だが、目から流れ落ちる水だけはそいつの悲しみがいやと言うほど滲み出てた
バシャバシャバシャ!!
大輝「おい!てめぇー!」
明結『………誰?』
気がつくと俺は女の前まで走ってた
なんで?
んなの俺が教えてもらいてーわ!!
でも、ただ、ほっておけなかった