第3章 いつまでたっても何処にいても✳︎威土冬也
次の日明結は目を覚ました
そんな、起きて間も無い明結に医者は残酷にも明結の命が残り少ないのを語った。
『はい、はい』っと短く返事をしていた。
僕に気をつかってかずっと笑っていた明結は僕が病室からでると大きな声で泣いていた。
明結『っ、っわあぁぁぁぁ!ヤダ!死にたくない‼︎‼︎怖い、怖いよぉぉお‼︎まだ、、まだ、樹希斗も大きく…っなって、、ないのに、やぁぁあぁぁあ』
………………そうだよね。
怖いよね。
悲しいよね。
まだ、生きていたいよね。
死にたくないよね。
樹希斗の成長を見守ってたいよね。
ごめんね。明結を守れなくて。
次の日もそのまた次の日も、明結は僕に泣き顔を見せずニコッっと僕の好きな笑顔で居てくれた。
そして、ちょうど昨日。
明結『ねぇ、冬也?』
冬「ん?何?りんご欲しいの?」
明結『ううん。違うよ、これ、樹希斗に渡して。』
そう言って明結が僕に渡したのは赤のブレスレットだった
冬「……うん。わかったよ」
明結『ありがと。』
今思えばこれが、明結の最後のお願いだった。
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今、目の前にいる明結は冷たくて。笑わなくて。泣かなくて。
ずっと触れている手もどんどん硬くなってきて。
明結は、死んじゃったんだねって思わせるには充分なほどだった
かちゃん
冬「……もう、終わりですか?」
大「あぁ、終わりだ。」
冬「え?」
後ろから聞こえてきたのは医者ではなく、明結の家に居た山峰大輝だった
冬「なんだ、まだ居ていいのか」
大「おい、本当に終わりだ!後、これ、明結が死んだらお前に渡せって」
山峰が突き出してきた片手には手紙が握られていた