第3章 いつまでたっても何処にいても✳︎威土冬也
この日はどれだけ苦しかったか。
家に帰ると子守頼んだ誠也が心配した顔で迎えてくれた
誠「おかえり。樹希斗は寝たよ、それで、明結は?」
冬「明結は、、、いつ死ぬかわからない状態だって……」
誠「……そうか。」
はっ!何?
誠也は明結が死ぬって言うのに”そうか”で済ませられるわけ?
冬「……誠也は別に明結死んだって構わないの?」
誠「はぁ?そんなことねぇーよ!」
冬「じゃあ、”そうか”ってなに⁈そんな簡単な言葉で済ませられるんでしょ⁈だったら、死んだって構わないんじ……」
バンッ‼︎
冬「っ‼︎‼︎」
一瞬何が起こったのかわからなかった
あとあと、ゆっくりと僕の頭が動き出した
あぁ、僕は誠也に殴られたんだ。
誠「俺だってつれぇーよ‼︎でも!今1番つれぇーのは誰だ⁉︎明結だろ?まだ、28なのにもう死ぬかもしれねぇーだなんて………あいつより、俺らが苦しんでどーすんだよ。あいつの分も、明結の分も俺らが笑わねぇーと」
長々と喋った誠也。
ははっ。初めて誠也に教えられたよ。
たしかにそうだよね、まだ、明結は28歳なのに。
まだ、これからなのに。
僕は怒りと悲しみででてきそうになっていた涙を止めた
この涙は、何かもっといい事の為にとっておくよ。