第5章 澤村大地 剥き出しの嫉妬心
試合が終わって帰ろうとすると野球の部長さんに引き留められる
携帯電話には大地から待ってるぞとメールがきていた
「今日は助かったよ‥有難うな!今ちょっと時間あるかな?」
『いえいえ!お役に立てたなら良かったです!!時間は‥あんまり無いんですけど少しなら大丈夫です!』
本当は早く大地のところへ向かいたかったけど
部長さんが真剣な顔をしていたから断れなかった
「あのさ‥俺実はずっと前から白鷺さんの事好きでした!良かったら付き合って下さいっ!」
『えっ?!あのっ‥えっと‥ありがとうございます‥!でもっ‥私‥』
あまりに突然の事でびっくりして頭が真っ白になる
なんて言おうっ‥
一生懸命気持ちを伝えてくれた部長さんになんて言えば傷つけずに断れるだろうか‥
「困らせてごめん‥澤村と付き合いだしたのは知ってんだけど‥どうしても気持ち伝えたくて‥」
『あっ‥そうなんですねっ‥こちらこそせっかく気持ち伝えてくれたのにごめんなさいっ‥』
深く頭を下げる
「ごめんごめんっ!やっぱり無理だよなっ‥あわよくばとか思っちゃった!困らせてごめん!」
恐る恐る顔を上げると部長さんにギュッと抱きしめられる
「諦めたくね〜っ!」
『部長さんっ‥』
あまりに強く抱きしめられて少し苦しくなる
「今日はありがとう!チアリーダーすっげぇ可愛かった!おかげでめちゃくちゃ頑張れたわ!俺の気持ちも聞いてもらって有難う!やっぱり諦める事は出来ないから‥澤村と別れる事があれば俺との事考えてね!」
やっと解放されて少しフラフラとしながら頭を下げる
『いえいえっ!またいつでも言ってください!では‥そろそろ私失礼します‥』
「引き留めてごめんね!またね!」
もう一度深く頭を下げて走り出す
『遅くなっちゃった‥急がなきゃっ‥』
ドンッ
突然何かにぶつかったと思うとそのまま抱きしめられる
「ラッキー!!さっき噂になってたチアリーダーの子でしょ!」
「すっげー!近くで見るとさらに可愛い!巨乳の迫力やべー!!!」
『あのっ‥ぶつかっちゃってすみませんでしたっ‥!』
腕から解放されて辺りを見ると大地との待ち合わせ場所ではないところにきてしまっていた