第1章 月島蛍 ずっと欲しかったもの
月島side
『お泊まり初めてだねっ!夜更かししてゲームとかしちゃう?お菓子とか食べちゃったり?あーワクワクするっ!』
ソワソワとした様子で可愛いことを話し出す先輩
まぁそんな可愛い事だけじゃ終われないですけどね
『着替えとかは嫌じゃなかったらお兄ちゃんの服使ってねって!』
「じゃあお言葉に甘えて‥コンビニで下着だけ買って行ってもいいですか?あと‥適当にお菓子でも買って帰りましょうか」
『うんうんっ!!そうしようっ!』
お祭り会場からの帰り道にあるコンビニに入る
「じゃあ僕下着見てきますね」
『わかった!!私はお菓子選んでるね!』
真剣にお菓子やらアイスやらを吟味している先輩を横目に財布を取り出す
万が一、こんな時の為にと財布に忍ばせていた四角い袋がちゃんと入っているか確認する
先輩の前で買うわけにはいかないし‥ちゃんと入れてて良かった
買い物かごに下着を入れて先輩の方へ歩いて行くと
嬉しそうに手に何か持っている
『ショートケーキっ!月島君好きだったよね?今日くらい夜に食べちゃってもいいよね?』
満面の笑顔でそう言うとかごにショートケーキをいれる
この人はどこまで可愛いんだろう?
果てしない可愛さにため息をつく
『えっ?!いやだった?!』
「違いますよ‥子供みたいでかわいいなって思っただけです。一緒に食べましょうか」
くくっと笑うと少し頬を膨らませるからそんなところも可愛かった
『一応私の方がひとつ大人だからねっ!』
腰に手を当てて必死にアピールしてくるから更に笑ってしまう
「くっ‥ははっ!そうですね。先輩の方が大人です」
ぽんぽんと頭を撫でてやってお会計を済ませる
そんな他愛もない会話をしながら2人で夜道を歩いて行くとあっという間に先輩の家に着いた
ちょうどお兄さんが出掛けるところだったみたいだ
「おー!!2人ともおかえり!月島君、突然ごめんなー!どうしても断れない相手でさ!遅くなりそうだから友達ん家泊まって帰るからゆっくりしてって!花澄の事宜しく頼みます!」
そう言うとひらひらと手を振って車に乗って行ってしまった
『行っちゃったね〜!さぁさぁ!中に入って〜!』
「お邪魔します‥」
『私のお部屋にどうぞ!』
一度来たことのある先輩の部屋へ招き入れてくれる