第4章 黒尾鉄朗 もっと染まって
黒尾side
朝練の為に早朝学校に向かって歩いていると可愛い後ろ姿が見えて来る
「俺の可愛い彼女ちゃんはそんなところで何してんの?」
『黒尾さんっ!あのねっ‥猫ちゃんが寝てたから可愛いな〜ってみてたら膝の上に乗っちゃって動けないの‥』
おいおい‥俺の彼女は人間だけでは飽き足らず動物まで虜にしちゃうの?!
「はーい、猫さん!この子は俺のもんですよーっと!」
花澄の膝の上に乗っている猫をひょいっと掴んで横に置いてやる
『ごめんね〜?またね!』
猫よりも可愛い俺の彼女に手を差し出す
「さ?行きますかお嬢様?」
『ふふっ‥なにそれっ‥』
小さな手が俺の手を掴んで立ち上がる
『行こっか!黒尾さん!』
「そこは王子様とか執事じゃねーの?」
2人で笑いながら歩き出す
まさかこんな夢みたいな日々が訪れるなんて
数ヶ月前までは信じられなかったよな
つい数ヶ月前まで花澄は烏野バレー部のマネージャーだった
芸能人かと思う程可愛い見た目にとっつきにくいかと思ったが
話しているうちにすぐに打ち解けて
あっという間に惹かれていった
練習試合や合宿で会う度に口説いてみたけど
びっっっくりする程鈍感な天然ちゃんで
遠距離って事も相まって中々距離を詰めれずにいた
そんなある日
『お久しぶりです!!烏野高校から転校してきた白鷺花澄です!今日から音駒高校のバレー部マネージャーさせて頂きます!一生懸命頑張るのでお願いします!!』
「っ?!!?」
「おいっ!!!猛虎?!こいつ嬉しさのあまりに気絶してんぞ?!」
バレー部の奴ら全員がすっげー喜んでたっけ
花澄の両親は海外にいるらしいけど
兄さんが東京に異動になったから転校してきたって
兄さんナイス!!!!
それから毎日猛アタックして
やっっっっと手に入れた
花澄は街を歩けばスカウトされるし
すーぐにナンパされる
転校初日に何人にも告白されるという伝説を持ってるし
バレー部にも花澄みたさに詰めかける奴が大勢いて困ったもんだった
そんな死ぬほどモテてきた花澄の初めての彼氏が俺って訳