第3章 烏養繋心 秘密の恋人
繋心side
風呂場からシャワーの音が聞こえてきて何も頭に入ってこなくなる
「ダメだ‥今は考えても何も浮かばねぇ‥」
持っていたペンを投げ出して床にゴロンと寝転んでいると
いつの間にか少し寝てしまってたみたいだ
『烏養さん‥烏養さ〜ん?お風呂お先に頂きました!』
「ぉわっ!?俺寝てた?!」
バッと起き上がるとビックリして目を見開いた白鷺の顔が目の前にある
『ご‥ごめんなさいっ!烏養さん起きないな〜って思って‥』
「いや‥俺こそすまん。風呂入ってくるわ‥」
風呂上がりの白鷺の姿を視界に入れないように風呂場へと向かう
見ちまうときっと我慢出来なくなる‥
何も考えないようにしてシャワーを浴びた
「もう寝てるか‥?」
風呂から上がるとシン‥と静まり返った部屋
ひょいっと覗き込むと髪の毛も乾かさずに寝転んでいる白鷺の姿
「こら!白鷺!髪の毛くらい乾かしてから寝ろっ!風邪ひくっつーの!おい!起きろ!」
横に座って話しかけるが全く反応がない
ちらりと白鷺の方を見る
俺が貸したぶかぶかのTシャツの襟の隙間から綺麗な鎖骨がみえてドキッとする
『んっ‥う‥かいさん‥?』
目を擦りながらゆっくりと起き上がる姿はまるで子供だが
大きすぎるTシャツから伸びる白い足と
ズレたTシャツの首元から見える大きな胸の谷間が俺の理性を奪っていく
「っ‥!髪の毛乾かしてこいっ!風邪ひくぞ!」
『わっ‥烏養さんかっこいい‥髪の毛下ろしてるところ初めてみました‥』
ふにゃっと笑いながら突然抱きついてくる
「!!!‥おいっ!寝ぼけてんのかっ?!」
『‥‥‥おきて‥ます‥』
「殆ど寝てんじゃねーか!」
俺の首に腕を回しながらこくりこくりと船を漕ぐ
「おいっ!起きろっ!」
抱きつく白鷺を引き剥がすと
とろんとした目で見上げてくる
『私じゃ‥ダメですか‥?』
「っ‥!それは‥前にも言っただろ‥?」
『諦めるって言ったのに‥ごめんなさいっ‥』
頼むから‥これ以上俺の理性を掻き乱さないでくれ‥
「俺だって‥白鷺の事諦めたくねーけどさ‥」
『えっ?!』
しまった‥つい本音が出てしまった
「ごめん‥忘れてくれ」