第24章 菅原孝支 初恋
菅原side
「えー‥みんなに‥報告がありますっ」
わざわざ報告する必要もないかと思ったけど
隠すのもなんか違うとも思うし
体育館に入る前の大地と旭
清水を捕まえてこそこそと話し出す
「まぁ朝の様子を見て想像はつくから、俺は聞かないでおこうかな」
「俺も‥聞きたくないかもしれない‥」
くるりと背を向けた大地と旭の背中を清水が無言で引き留める
「実は‥花澄ちゃんと付き合うことになりました」
自分で思っていたよりも大きな声がでていたようで3人とも少しびっくりして目を大きく見開いていたけど
次の瞬間には大地も旭も目頭をグッと抑える
「えーーーっ?!スガさん?!何の冗談っすか?嘘ですよね?!俺信じませんよ?!」
「えっ?!田中?!」
「まさかっ‥俺の花澄が‥?!」
「西谷っ?!」
ガタガタと音を立てて膝から崩れ落ちる田中と西谷が涙を流す
「嘘だろ?!」
3年生だけだと思っていたのに他の部活の生徒達まで集まってきて辺りがざわざわと騒がしくなり始める
「僕は信じない」
「ツッキーが我儘な駄々っ子みたいなこと言ってる‥」
「うるさい山口」
どこから聞いていたのか月島と山口まで現れる
「俺も信じません」
「負けず嫌いな影山くんは負けを認めたくないんですね〜」
今にも日向に飛び掛かろうとする影山
の後ろから状況を把握出来ていない花澄ちゃんがひょっこりと顔を出す
『えっ?!喧嘩?!どうしたの?!あれ?!なんでみんな泣いてるの?!』
「スガさんと付き合ったって本当か?!嘘だと言ってくれ!!!頼むっ!」
『わぁっ?!龍?!夕まで?!』
縋り付くように足元にしがみつこうとする2人の首根っこを大地が掴む
「ほら、準備始めるぞ」
「花澄〜!俺たちの天使が‥」
予想はしてたけど予想以上に荒れる皆んなをみてため息を吐くと清水が横に並ぶ
「分かっちゃいたけどライバルが多すぎて彼氏になっても全然安心でけねーべや」
「とりあえずおめでとう」
そう言って微笑むとコートの方へ歩いて行った
『みんな‥どうしたんですかね‥?』