第24章 菅原孝支 初恋
菅原さんと向かい合って
急に肩を掴まれると
だんだんと顔が近づいて来た
間近に迫る顔
いつもはコートの中の姿を見る事が多かったけど
近くでみる菅原さんにドキドキしてしまう
くっきりとした大きな目
目の下の泣きぼくろが大人っぽくて
すっと通った鼻筋
真剣な顔はとってもかっこいいけれど
ふわふわと跳ねる髪がちょっぴり可愛かった
好きに気付いてしまってからはもっともっと好きの気持ちが増していって
真っ直ぐに視線を合わせるのも照れてしまう
それでも真っ直ぐに見つめられて
ぐっと近付いた距離
あと少しでキスしちゃいそうで
ドキドキして心臓がでちゃいそうでギュッと目を閉じると大地から電話がかかってきた
菅原さんが電話を切ったあとに今度は私にも電話がかかって来て
今から会いたいと言う
「ほんとは今日の帰り、2人になれたら言いたい事があったんだが‥今から行ってもいいか?」
真剣な大地の声に心は揺らいだけど
目の前の菅原さんをみて大地にまた今度にして欲しいと頼んでみる
「そうか‥スガ、まだ帰ってなかったのは花澄ん家にいたんだな‥!最近の2人をみてちょっとそんな予感はしてたんだが‥先、越されたか‥悔しいけど‥また今度な!」
そう言って大地が電話を切った
目の前の菅原さんに向き直ると帰る準備をしてたみたいで学ランをいそいそと羽織っている
まだ
帰ってほしくない
まだ
一緒にいたい
好きって気持ちを伝えられた途端によくばりになった気持ちを恥ずかしいけれど正直に伝えてみるとギュッと強く抱きしめられる
「可愛過ぎて‥俺‥息の仕方忘れてるかもしれない‥」
『えっ?!スガさん‥?!大丈夫ですか?』
「‥‥明日みんなに俺の彼女になりましたって自慢していい?」
『えっ?!はい‥っ!スガさんがいいなら‥恥ずかしいですけど‥』
「俺が、花澄ちゃんの彼氏?」
『はいっ‥彼氏さんです‥』
「俺の彼女って花澄ちゃん‥?」
『はいっ‥彼女に‥ならせてもらっても良ければ‥!』
「俺のこと好き‥?」
『大好き‥です』
ギュッと抱きしめられたまま何度も何度も問いかけられる