第24章 菅原孝支 初恋
菅原side
腕の中に抱きしめた身体
驚く程柔らかくて
もうめちゃくちゃにいい香りがして
可愛くてたまらない
夢なら一生醒めないで欲しいし
夢じゃないなら一生この時間が続いて欲しいと思うくらい幸せな時間
暫く幸せな時間に浸っていると腕の中の花澄ちゃんが涙を流していた
「ん‥?えっ?!泣いてるっ?!なんで?!どこか痛いの?抱きしめたの嫌だった?!ごめんっ‥俺舞い上がりすぎたっ‥?!」
慌てて身体を離すとふるふると頭を振りながら話し出す
『痛くないですっ‥嫌じゃないです‥っ!幸せだなぁって思ってたら‥涙があふれてきちゃいました‥』
「ぐっ?!」
涙で目を潤ませながらふわりと笑った花澄ちゃんは
この世の何よりも可愛かった
そんな可愛い顔して
そんな可愛い事言うもんだから
ついうっかり俺は吐血してしまいそうだよ
『大丈夫ですか?!』
幸せがキャパオーバーして目の前がくらりとする
すかさず心配そうに覗き込んでくるマネージャー改め俺の彼女
俺の‥
彼女‥‥
『菅原さんっ?!鼻血が‥っ!とりあえずお家入って下さい‥!』
可愛すぎる彼女に支えられていつの間にかついていた家の中に入らせてもらう
「かっこ悪いとこ見せちゃったな〜」
『カッコ悪くなんかないですよ‥っ!お茶いれてくるので待っててくださいね!』
ハンカチで優しく顔を抑えていた手が離れてお茶を入れる為に立ち上がって部屋から出ていった
「可愛い部屋‥いい香りするし‥‥」
初めて入る花澄ちゃんの部屋
ドキドキして止まった鼻血がまたでてきそうだった
『お待たせしましたっ‥これで顔拭きますね‥!それから‥お茶どうぞっ!』
ほかほかと湯気のあがるタオルで優しく顔を拭いてくれるとさっと冷たいお茶が差し出される
『今日はお兄ちゃん遅いのでゆっくりしてくださいね』
心配そうに下がる眉
俺の事を心配してくれてるんだろうけど
花澄ちゃんと2人きり
この状況に身体が興奮して熱を持ちはじめる
さっき想いが通じたところなのにさすがに早すぎるか?