第21章 赤葦京治 僕の先輩
合宿所のお風呂上がり
髪の毛を乾かしてからアイスをもらいに行く為に廊下にでると
椅子に腰掛けている赤葦くんをみつけて駆け寄っていく
『えっ?どこまで‥って‥なんのこと?』
「それは‥その‥」
『?』
少し気まずそうに言い淀むと後ろから木兎くんたちがやってきた
「花澄じゃんー!お風呂上がりっ?!アカーシと何話してた‥ってかもしかしてちんこの‥「木兎さん」
『‥?』
最後まで話終わる前に赤葦くんに遮られて何を言っているかが分からなかった
「はぁ‥合宿名物‥無防備な姿もかわい‥」
『あれっ?!木葉くん少しのぼせてない?大丈夫?』
ふらりと私の肩に寄りかかってくる木葉くんを支えると赤葦くんがすぐに私達の間に割り入ってくる
「近い‥お仕置きされたかったですか?」
『っ!』
私にだけ聞こえるように赤葦くんが耳元でこそっと話す
あの約束をしてから
約束を守れないと赤葦くんに後からお仕置きをされるようになった
とっても恥ずかしいお仕置きだから出来るだけ気をつけるようにしていたのに
「あれ?花澄顔真っ赤じゃんっ?!のぼせたんじゃねーの?」
気付けばまた木兎くんに引き寄せられていて反射的に顔が赤くなってしまう
「熱ある?大ジョーブ?」
腰をかがめてこつんとおでこをあわせてくれる
お風呂上がりで髪をおろしている木兎くんはいつもと別人のようで
ドキッとしてしまった
「お仕置き‥覚えててくださいね」
今度は私と木兎くんを引き剥がして
こそっと耳元でそう言うと立ち上がって食堂に歩いて行ってしまった
「お仕置き‥何のことだ?」
『なっ‥なんでもないのっ!木兎くんもアイス食べてねっ!おやすみっ!』
パタパタと部屋の前まで戻ると雪絵ちゃんが顔を赤く染めた私をみてニヤリと笑う
「また赤葦?」
『雪ちゃんっ‥私そんなに分かりやすいっ‥?』
赤くなった顔を恥ずかしくなって両手で隠すとよしよしと頭を撫でられる
「分かりやすくて超可愛い!大好き!」
ギュッと抱き締められる私の肩越しにいた赤葦くんにむかって
雪ちゃんがにやりと挑発するように笑っていたのは後に知ることとなる