第21章 赤葦京治 僕の先輩
『と‥とりあえずお部屋にどうぞっ‥!』
初めて重ねた唇
柔らかくて
熱くて
それだけでも溶けちゃいそうだった
なんとか赤葦くんとお部屋に入って向かい合って座り合う
「‥‥」
『‥‥』
さっきのキスのせいで体温は上がったまま
心臓もドキドキと忙しなく動く
今まで逆にどうやって接してたかも思い出せない程
真っ直ぐに熱のこもった瞳に見つめられて
息もとまっちゃいそうなくらい
「俺‥我慢できそうにないです‥」
暫く沈黙が続いたあと
ゆっくりと喋りだす赤葦くん
『がまん‥?』
「‥‥先輩が初めて彼氏が出来たことは白福先輩から聞いて知ってます。俺も初めてなんで上手くできるかは分からないですが、優しくするので‥先輩の初めてを俺にくれませんか?」
『初めてを‥?』
何の事を言っているのか分からなくて首を傾げると
またギュッと身体を抱きしめられる
「怖かったり、痛かったり‥やめて欲しかったら直ぐに言ってください。そうじゃなかったら、俺に委ねてもらえませんか?」
『わ‥わかった‥!よろしくお願いします‥』
真剣な声にこくこくと頷くとそのままふわりと身体を持ち上げられて
ベッドの上に降ろされる
そして今度はベッドの上でお互いに正座をして向かい合う
「服‥脱がせますね」
『えっ?!服‥?!』
ゆっくりと私の服を脱がせていく
『ゃ‥待って‥恥ずかしい‥っ』
ぷちぷちとシャツのボタンを外すとあっという間に上半身は下着だけになってしまって
スカートをおろそうとする大きな手をきゅっと抑えると少し余裕のなさそうな顔の赤葦くんと目が合う
「脱がせるんで腰‥少し浮かせてください」
『っ‥』
赤葦くんの前で服を脱ぐのはとっても恥ずかしかったけど
委ねて欲しいと言われた言葉を思い出して素直に腰を少し浮かせる
「えらいですね‥ありがとうございます‥」
そう言うと優しく笑って
ふわりと優しく頭を撫でられる
その笑顔と声にさらに鼓動は早くなって
心臓の音が鼓膜にまで響いてくる
「可愛い‥」
ゆっくりとベッドに押し倒されて
私の上に覆い被さった赤葦くんの顔がどんどんと近づいてくる