第19章 月島蛍 分からせたい
汚れてしまった制服とソックス
溜まっていた洗濯物を一気に洗濯した
そして翌日
太腿にはたくさんの痕
『今日はタイツでも履きなさいって言ってたけど‥そういえば私タイツ一つしかもってないんだった』
一人分のお弁当を作って
制服に着替えた後
今日もいつもはあまり使わないクローゼットからタイツを引っ張り出す
黒の少し透け感のあるタイツ
大丈夫か心配だったけど
透け感はあるものの
たくさんついた痕までは透けていなくってホッと胸を撫で下ろす
『これなら蛍くんも怒らないよね!』
カバンを持って靴を履いているとインターホンのチャイムがなる
『大地おはようっ!』
「おはよーって‥今度は黒タイツかっ?!」
バッと大地の顔が赤く染まって行く
『えっ?!ダメだった‥?清水先輩に憧れて一回買ってみたやつを引っ張り出してきたんだけど‥』
「全然ダメじゃない!むしろ俺は‥好きだけど‥」
目を逸らす大地の腕を引っ張って走り出す
『それならよかった!じゃあいこっ!今日は朝会あるもんね!』
そうして学校について
朝会を終えて
2年生の教室に向かって歩いている時
突然後ろから声を掛けられる
「昨日あんなに分からせてあげたのに‥やっぱりまだ足りませんでした?」
『えっ?!』
月島くんの声がしてぱっと振り返る
「あーっ!花澄さんっ!今日はタイツ‥‥透けっ‥えっ?!」
「黒‥タイツ‥」
月島くんの横から日向くんと影山くんもやってくる
「だから‥見せ物じゃないって言ったよね?」
「おっ‥おれは‥っ‥すけすけの黒タイツの花澄さんなんてみてないっ!」
「俺も‥タイツが透けててエロいなんて思ってない」
「はぁ‥もう突っ込むのも疲れた‥」
大きくため息をついた月島くんが大股で近づいてきてコソッと耳元で話す
「今日も放課後行っていいですよね?」
昨日を思い出させるような低い声に一瞬で体温が蘇る
『っ!』
「ふ‥顔真っ赤‥じゃあまた部活と‥放課後」
ひらひらと手を振って帰って行く後ろ姿にドキドキが止まらなかった
fin