第19章 月島蛍 分からせたい
そーいう目とはどんな目なのか?
気になったけれど結局ちゃんと聞けないまま学校についてしまった
「じゃあ、また部活で」
『うんっ!また部活で!』
校門をくぐってから教室に入ると夕が駆け寄ってくる
「ニーハイソックスだと‥っ?!絶対領域‥っ」
突然頭を抱え出す
『えっ?!どうしたのっ?!』
「これは‥龍に報告せねば‥」
そう言うとふらふらと教室から出て行ってしまった
暫くすると夕に引き連れられた龍がやってきて
全く同じリアクションをして顔を赤くする
「ノヤっさん‥これはなかなか‥お目にかかれない‥」
「そうだ龍‥目に焼き付けとけ‥」
『なになに‥?どうしたの‥?』
2人に近付いていって顔を覗き込むと2人の顔が一気に赤くなる
「その格好で‥そんなかわいい顔して近付くんじゃないっ!俺の理性がもたないかもしれない‥っ」
「そうだ‥これは遠目でなんとかやり過ごすしかない‥」
相変わらず2人にしかわからない会話で
でもなんだか楽しそうだしふふっと吹き出してしまう
「「ま‥眩しいっ‥」」
『2人は相変わらず仲良しだねっ!私ちょっとお手洗いに行ってくるね!』
2人にバイバイと手を振ってお手洗いに行くと仲の良いお友達の葵ちゃんがいた
「おはよーっ!ニーハイとか珍しいね?めっちゃかわいい!」
『おはようっ!自分の分の洗濯物まわすのすっかり忘れちゃってて‥これしかなかったんだけど大丈夫かな?』
鏡も見ずに出てきたから今更不安になって問いかける
「ニーハイだともー少しスカート短い方がかわいいよっ!これくらいかなっ‥と」
葵ちゃんが私の腰に抱きつくようにぐいっと近付いてくるとウエストを2、3回折り返してスカートの丈を短くしてくれる
『えぇっ?!短すぎない‥?!』
「歳下の彼氏、喜ぶと思うよ!」
『そ‥そうかな?』
いつも学校では少しぶっきらぼうな月島くんの顔を思い浮かべる
「うんうんっ!なんなら後で教室覗きに行ってみる?!」
『えっ?!でも用事もないのに‥』
「私一年生の教室に届けないといけないもんあるからついてきてよ!」