第18章 二口賢治 素直になれない
二口side
『二口くん‥ありがとう』
揺れる電車と
いやらしい目で見てくる男達から守っているとふわりと柔らかい笑顔で俺を見上げてくるから
カッと顔が熱くなるのが分かって
ついいつもの癖で顔を逸らしてしまう
それでも密着した身体には
柔らかな大きな胸が触れていて
情けなくも俺の欲が反応してしまう
「ん‥しっかり掴まっとけよ」
さらにふいっと顔を逸らすと花澄も顔を赤く染めながら
遠慮がちに俺の制服をギュッと掴んでくる
この生殺しみたいな状況をなんとか耐え切って
やっと俺の家に着いた
『お‥お邪魔しますっ‥!』
「いらっしゃい花澄ちゃん!賢治と仲良くしてくれてほんとにありがとねー!!私は今から出掛けるけどゆっくりしてってねー!」
バタバタと慌ただしく出ていく母親
部活の集まりとかで何度か俺の家に来た事のある花澄は俺の家族からも好かれている
「とりあえずあがって?」
『うんっ‥ありがとう‥』
俺の部屋まで連れ込んで
そのままベッドに押し倒す
「抱いてもいいか?」
そんな事を聞きながら
待ちきれない俺は
緑のブレザーを脱がせて
ネクタイを解いていく
『えっ‥さっき言ってた‥抱くっていうやつは‥ギューってするの‥?』
顔を真っ赤にしながら
真剣にそんなことを言うから
あまりに可愛すぎて少し吹き出してしまった
「んっ‥そうだな‥ギュッてして‥それから‥花澄のここに俺がはいる‥って説明むずいな」
人差し指でトンと下腹部を指さすといまいちピンと来てない様子
「とりあえず‥俺に任せて?」
花澄の上に覆い被さるように見下ろすと
ベッドがギシッと音を立てる
『わかった‥二口くんに任せる‥』
その言葉を聞いて無意識ににやりと口角が上がる
白シャツのボタンを上から順にひとつひとつ開けていく
『ふ‥二口くん‥?』
露になった綺麗な鎖骨に唇をよせて
初めて花澄の身体に痕をつける
真っ白な肌によく目立つ赤い痕
『っ‥これは‥?』
答えている余裕もないくらい
性急に
シャツのボタンを全て外していく