第18章 二口賢治 素直になれない
二口side
花澄に先に気持ちを伝えてもらっときながら
そこに乗っかるのはずるいと思うけど
その勢いのまま逃がさないように畳み掛ける
『お‥お願い‥します‥』
その言葉を聞いた途端に我慢できなくなって
小さな顔を両手で掴んで戸惑う唇に舌を強引に割り入れる
『んっ‥は‥ぁっ‥んむ‥っ』
ぎこちなく逃げようとする舌を絡め取って
無我夢中で口内を蹂躙する
こぼれ落ちていく
甘くて
体温が一瞬で上がるような熱い吐息
ずっと好きだった花澄とのキスに
俺の欲も固く
熱をもっていく
ここが校舎裏じゃなかったら
今すぐに押し倒してしまいたい
何度も角度を変えながら
熱くて蕩けそうな柔らかな舌を絡め取って
貪るように
キスを繰り返す
その度に質量を増す俺の欲が
抱きしめた花澄のお腹にぐりぐりとあたってぴくりと揺れる華奢な身体
呼吸をする暇も与えないようなキスに
花澄の顔が真っ赤になって
くりっとした大きな目がじわりと涙で潤んでから
必死で俺の胸元にしがみついてキスにこたえてくれる
やばいな‥
これ以上キスしてると
本当にこのまま外で犯してしまいそうになる
『っはぁ‥はぁ‥はぁ‥っ‥』
理性の糸が切れてしまいそうな一歩手前でなんとか唇を離すと
一気に酸素を吸い込むようにはぁはぁと花澄の肩が上下する
「この後空いてる‥?俺もう我慢できねぇから、抱きたい」
手に入れたばかりの花澄を逃がさないように
今すぐに俺のものにしたくて
余裕なく問い詰める
『抱く‥?』
そういう事に疎いと有名な花澄が赤い顔をしたまま俺を見上げる
「帰ったら教えてやる」
『っ‥わ‥わかった‥今日はお兄ちゃん出張でいないから大丈夫‥』
こくりと頷く花澄の小さな手を掴んでずかずかと歩き出すと一生懸命小走りでついてくる
本当は小柄な花澄に合わせてゆっくり歩いてやりたいけど
今の俺にはそんな余裕もなくて
つい大股で歩いてしまう
一緒に電車に乗ると周りの男にチラチラと見られる花澄を隠すようにして腕の中に閉じ込める