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ハイキュー 裏短編集 【R18】

第18章 二口賢治 素直になれない


二口side





「はぁ‥」




また素っ気ない態度をとってしまった



後悔しても遅いのに
こんな態度をとるたびに毎回落ち込んではため息が出る




クラスメイトに話しかけられるけど
内容が最早頭に入ってこなくて
ちらりと花澄の姿を見る



色素の薄い淡い髪色



動く度に
ふわりと甘い香りがして柔らかな髪が天使の輪を作る




いつも一つに結ばれているけど今日はおろされていて
めちゃくちゃ可愛かった



朝見た途端からドキドキして
話しかけられたら絶対無理だろうなって思ったから



練習メニューを手渡してくれた花澄の顔もろくにみずに顔を逸らした



離れていった花澄に青根が何やら話しかけると
白い肌がぽっと赤く染まる





その様子に周りの奴らが反応して


花澄に好きなやつが出来たんじゃないかと騒ぎ出す





まさか‥
青根のこと‥?




友達の声も聞こえないほど
心臓がばくばくと嫌な音を立てる




本当のところを聞きたくて話しかけようとするけれども
その日からうまいこと避けられているようで


なかなか2人で話す事が出来ない



散々自分がそっけない態度をとってきたはずなのに



花澄に避けられていると思うと身体も心もずっしりと鉛のように重くなる





優しい花澄は
あからさまに避けるような事はしないけど





俺が話しかけると途端に目が泳ぎ出して
よくわかんねぇ言い訳をしながらそそくさとどこかに歩いていってしまう




そんな事が数日も続いて
ついに耐えきれなくなった俺は部活終わりの花澄を捕まえて校舎の裏に呼び出した





『用事って‥なんだろ‥もしよかったらまた誰かに伝えてもらったら私ちゃんと聞いとくからっ‥先帰るね‥!』




そわそわと視線が宙を彷徨って

ぎこちない笑顔をしながらその場を去ろうとするから

両手で花澄を壁際に追い詰める





「帰んなよ‥っ」



いわゆる壁ドン状態になって
状況を把握しきれていない花澄が大きな目をさらに見開いて
不安そうに見上げてくる



『ご‥ごめんねっ‥私また何か二口くんを怒らせるような事しちゃったのかな‥?』


少し泣き出しそうな顔に胸がずきっと痛む
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