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ハイキュー 裏短編集 【R18】

第18章 二口賢治 素直になれない


「ん」




『えっ?!』



目の前に差し出されるメロンパン




パッと見上げると青根くんがまた心配そうに眉を下げている




私がご機嫌になるって言ってたメロンパン




『覚えてくれてたんだ‥ありがとうっ‥!』




口数の少ない青根くんだけど



やっぱりこんなにも優しくて

心があったかくなってふにゃりと顔の力が抜ける





「‥花澄は笑顔が似合う」





ふっと顔が柔らかくなったと思うと
私の頭を優しく撫でてそのまま席に帰っていってしまった




突然の事に少し顔が熱くなって両手で顔を覆う





「なにっ?!顔赤くしてー!好きな人でもできたのっ?!照れた顔もかわいいっ!」



突然ばんばんと背中を叩かれて振り返るとお友達がお手洗いから帰ってきた



『えぇっ?!そんなに顔赤いっ‥?!』




慌てて顔を隠すとにやにやと笑いながら抱きしめられる




「応援してるからね」




『そ‥そんなんじゃ‥』



「えっ?!白鷺さんに好きな人っ?!誰っ?!この天使に好きになってもらえる贅沢なやつは!!」



「花澄は私のものじゃないのっ?!」



「信じないからっ!白鷺さんは永遠に俺たちのアイドルだよな?!」




言い訳しようとすると次から次にお友達に囲まれてしまって身動きがとれなくなる




どうやって言えばいいんだろうと考えていると
じっと見られているような気がして振り返る



「っ‥!」





一瞬二口くんと目があって


すぐに逸らされてしまった





『はぁ‥』




自然とこぼれ落ちてしまったため息に友達が私を優しく宥めてくれる




「私はいつだって花澄の味方だからね!」




『あ‥ありがとっ‥』




私にはこんなに優しい友達も




心配して気にかけてくれる青根くんだっている




二口くんには‥嫌われてしまってるみたいだけど
他の部員のみんなは優しくしてくれる




初めて出来た好きな人だったけど



これ以上を望むのは贅沢なのかもしれない




しつこくしてもっと嫌われるのは怖いから
この気持ちはもう胸の奥にしまっておこう




二口くんの邪魔にはなりたくないから



それからは出来るだけ距離を取るようにした
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