第17章 夜久衛輔 攻めの姿勢
夜久side
『ごめんね‥ありがとうっ』
リエーフに抱きつかれてよろけた
俺より随分小柄な身体を支えると少し顔を赤くする
付き合ってもう2年くらいたつのに
いまだに触れるだけで顔を染めるから
可愛くて可愛くて色々我慢するのが大変だった
それにしてもリエーフには一度厳しく言わないとな‥
彼女を目の前で抱きしめられるのは正直おもしろくない
『もうすぐで代表決定戦だね‥ドキドキするなぁ〜!』
そんな俺の気持ちにも全く気付いてないであろう花澄の部屋の中
2人で並んで座ると呑気にそんな事を言い始める
「まぁいつも通り頑張るしかないよな」
『うんっ‥応援してるからねっ』
二人っきりの空間
やっと花澄を独り占めできる
「それで‥あんなに俺に注意されたのにリエーフに抱きしめられてたのは何でだろうな?」
『えっ‥?』
反応の遅い花澄の身体を床に押し倒すと
大きな目が俺を見上げてくる
「とにかくどいつもこいつも花澄との距離が近い‥」
本当にどいつもこいつもだ
「どんだけの奴らが花澄の事狙ってると思ってんの?」
『狙う‥?マネージャーなのに‥狙われるの?』
俺の下に組み敷かれときながら
きょとんとした顔
「誰がバレーで狙うんだよ!」
『バレーじゃないのか‥』
うーんと考え始める花澄の顎を掴んでキスをする
『ふっ‥んぅ‥っ』
甘い吐息を溢す花澄の目をじっと見つめる
俺の為にしてくれた短い髪
「俺の為にショートにしてくれたのまじですっげーうれしかった‥」
もともとショートの女の子っていいよなって思ってて
黒尾とそんな話をした事あったけど
花澄は髪が長くてもすっげぇ可愛かったし
見た目だけじゃなくて
性格とか
色んなことを全部ひっくるめて好きだったから
全然そのままでもよかったのに
俺のためにしてくれたってショートは
その気持ちも含めて可愛すぎる
二ヶ月近く我慢してたのもあって
逸る気持ちが抑えられない
「そんな可愛い姿見せられたら俺‥まじで我慢できないから覚悟しといて?」