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ハイキュー 裏短編集 【R18】

第17章 夜久衛輔 攻めの姿勢 


夜久side



足首に心臓があるみたいにズキンズキンと鋭く痛む



コーチと犬岡に肩をかしてもらいながらベンチまで戻ると

くりっとした大きな目いっぱいに涙をためた花澄と目が合う




マネージャーとしても


彼女としても



俺の事を全力で支えてくれた花澄を
どうしても全国に連れて行ってやりたかった



悔しさと


いろんな思いがこみあげてきて
話したい言葉も喉につかえてでてこない



じっと巻いてもらった包帯をみつめていると



ぽつりと話し出す





『芝山くんは、夜久君の背中を見てきたから‥きっと大丈夫』



静かだけど
芯のある声



はっと顔を上げて


コートの中の芝山の背中をベンチからみる




最初こそは固かったものの


その後ろ姿からは音駒のリベロの存在感を感じられた






「そうだな‥あいつらを信じるしかないよな」




『うんっ!鉄朗にも主将として頑張ってもらわないとね!』





真っ直ぐに俺を見つめる力強い目




俺もいつまでも落ち込んでいられないよな




「ありがと‥花澄のおかげで元気でた」



『っ!次に向けて早く足治さないとだね』



一瞬うるっと涙を溜めてから
今度はふわりと笑う




固唾を飲んで試合の行方を2人で見守って





ついに決着がついた







『や‥夜久くんっ‥よかっ‥よかった‥』



涙を流して震える身体をギュッと抱きしめる




「ほんとに‥良かった!」





勝利を掴んだチームメイト達



海と黒尾がやってきて
俺と花澄



4人でガシッと肩を抱き合った



今度は嬉し涙をぽろぽろと流す花澄をみてほっと胸を撫で下ろす



「いやーそれにしても、どさくさに紛れてベンチで花澄と抱き合っちゃって」




更衣室まで2人に肩を貸してもらいながら歩いていると
黒尾が揶揄うようにこっちをみる




「羨ましいだろ」



挑発するように見上げる




「羨ましくありませーん!俺だって幼馴染だし?!抱き締めた事くらいありますー!」



そんないつもの俺たちをみて海がいつもみたいにふっと眉を下げる



一年の時から俺たちはこんな感じで



4人で色んな壁を乗り越えて来た
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