第16章 宮治 体育館倉庫 閉じ込め
治side
いつものやり取りを適当にあしらいながら
買ったものを広げていく
「ほんま‥あんな可愛くてええ子がまさか治の彼女になってくれるとはなぁ‥母ちゃん嬉しいわ」
「まだ治の彼女やって決まったわけとちゃう!!」
「「決まっとるやろ」」
「だーっ!!もう知らん!俺風呂入る!」
ツムが拗ねてリビングから出て行った時にちょうど携帯がなる
「もしもし‥どないしたん?」
『なんか‥治の声が聞きたくなったから‥』
「はぁ‥可愛いし‥癒されるわ‥」
ツムがギャーギャー言うから
受話器越しにおっとりと喋る花澄の声にめちゃくちゃ癒される
『つ‥疲れたよねっ‥!今日は私のせいで閉じ込められちゃってごめんね!』
「あんなんで疲れへんで‥むしろ元気出たわ。閉じ込められたおかげで花澄とあんな事出来たしな」
『っ!』
顔は見えへんのに
どんな顔しとんか想像できてつい笑ってまう
「顔あかなってんで?」
『えっ?!なんでわかるのっ?!』
今はきっと
顔を赤くしながらおっきな目見開いてびっくりしとるはず
「これからもずっと俺のそばにおってな」
『っ!う‥うんっ!ずっと治と一緒にいたい‥です』
「‥抱きたい」
『だ‥っ?!』
「また赤なった」
そんな事を言い合いながら
幸せな時間がすぎていく
『じゃあ‥おやすみなさい』
「うん‥おやすみ。また明日部活でな」
『うんっ!また明日』
電話をきろうとする花澄をもう少し照れさせたくなってひきとめる
「あ‥それと、今日体育館倉庫でした事は俺らだけの秘密やで?」
『っ!!ひみつっ‥ぜったい‥いわないっ‥!』
案の定受話器の向こうで照れた花澄がカタコトで答える
「また閉じ込められたら、あっためたるからな。」
『っ!!』
「おやすみ」
『っ‥おやすみなさいっ‥』
明日
部活の時間が楽しみやわ
倉庫に入る時に俺との行為を思い出して
また顔を真っ赤に染めるんやろな
想像しただけで可愛くて
幸せな気分で眠りについた
fin