第16章 宮治 体育館倉庫 閉じ込め
ベッドが音を立てないように
ゆっくりと奥まで入ってくる
体育倉庫の時は激しく奥を突かれておかしくなっちゃいそうだったけど
これだけゆっくりと時間をかけて入ってくるのも
いつもよりもさらにナカに入っているモノを感じちゃうから
これはこれでおかしくなっちゃいそうだった
奥までグッと挿れられたまま
私の口を塞ぐように何度も舌を絡め取られる
襲いかかってくる快楽に
ギュッと目を瞑って身体を震わせると
ふと目を開けた時に治がじっとベッドの外を見ていた
『治‥?』
私もつられて上をみるけれども何もない
上から物音はきっとしていなかったし
侑が起きちゃったわけではなさそうだ
「こっち見て‥花澄は俺だけみとったらええから‥」
『っ‥ん‥!』
唇を塞がれたまま
出来るだけ音を立てないように腰の律動が早められる
「こんな姿見たら‥嫌でも俺のもんやって分かるやろ‥」
『っ‥?』
聞こえない程の小さな声で話すから
何て言ってるのか聞き取れずに治の目をじっと見つめる
「なんもないよ‥ひとりごと」
ふわっと優しく微笑む治
私の好きな治の笑顔
食べるのが大好きで
食べてる時の治を見るのが大好きだった
もちろんバレーしてる姿もかっこいいけど
食べてる時が一番幸せそうだった
大好物を頬張った時の
そんな笑顔と全く同じ笑顔で見つめられて
心臓がどきんと大きく跳ねる
「双子ってどうしても比べられるし‥ツムの方がどうしてもよう目立つし‥っ‥バレーもうまいし‥」
私の耳元にぐっと顔が近付く
「それでも‥俺の事選んでくれてめっちゃ嬉しかった‥ありがとう」
『っ!』
反則みたいに優しくてかっこよくて
幸せそうで
かわいい笑顔にお腹の奥がきゅんと締まる
付き合ってから何ヶ月も経つけど
一緒にいればいる程好きになっていく人に
こんな顔をしてもらえて
心がぽかぽかとあったかくなる
『っ‥こちらこそっ‥選んでくれて‥ありがとうっ‥』
「どういたしまして‥」
ふわっと笑う治と目があって
奥深くまで繋がったまま
また唇を重ねた