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ハイキュー 裏短編集 【R18】

第15章 照島遊児 奪いたい


照島side




「なー!!お願いっ!!俺と付き合ってよ〜!」



いつもみたいに
バレーの練習終わりにマネージャーの花澄と一緒に帰る



この会話ももう何回したかも分からない



その度に
またそんな事言って〜!とふわりふわりとかわされてきた




今日もそんな風に笑いながら帰ると思ってたのに




『私‥彼氏出来たの!照島君も烏野のマネージャーさんの事好きなんだって聞いたよ‥?いつまでも私の事からかってちゃダメだよ!』


いつものようにふわりと優しく微笑むとボールをいれた大きなカバンを持って先に歩き出す




「‥‥は?!彼氏?!つーか好きなんはお前だけなのに‥誰がそんなん言った?!てか待て!彼氏って誰だ?!バレー部の奴らか?!」



『っ‥照島君‥?』



つい力が入っちまって肩をギュッと掴むから少し痛そうな顔をする花澄




「ご‥ごめんっ!でも‥まじで彼氏出来た‥?」




もしかしたら嘘かもしれない




そんな僅かな望みをかけて聞いてみる





素直で
正直な花澄がそんな嘘をつくはずもないのに




『う‥うんっ!』



恥ずかしそうに顔を染める姿にズキンと胸が痛む



でも心なしか
どこか寂しそうな顔をしてる気もする‥


「‥誰?」



『えっ‥?えっと‥烏野高校の‥澤村さんっていう人だよ』





「〜っ!」




脳裏に蘇るのは安定したレシーブ



頼りになりそうな
爽やかな男




質実剛健



まさにその言葉がよく似合いそうな









俺とは正反対の男だ





『照島君の事も応援してるからね』



俺の好きな柔らかい笑顔で微笑みながら



もう他のやつのもんになっちまった花澄が

俺の手をギュッと握った



なんで俺が何回も告白しても相手にしてもらえなかったのに‥





なんで他校のやつと付き合ってんだよっ‥




なんでっ‥




『じゃあまた明日ね!』




大きく手を振りながら帰っていく小さな背中を見送りながら
ふと自分の頬に涙が伝っていることに気付く




「はっ‥情けねえな‥」




ゴシゴシとジャージで涙を拭って前を向く







「なに泣いてんだ俺‥とられたなら‥取り返すまでだろ」



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