第2章 宮侑.治 2人だけの彼女
治side
「じゃあ行ってくるな〜!あんたら花澄ちゃんの事頼んだで!!花澄ちゃんまたね!!なんかあったらすぐ連絡してよ!」
おとんとおかんが騒がしく出て行く
まさか‥ずっと片想いしとった花澄ちゃんと泊まれるなんて‥想いを伝える前に引っ越してったから
今度こそ‥ちゃんと俺の想い伝えて彼女にしたい
それはきっとツムも同じなんやろうから
それやったら早いモン勝ちやろ
「花澄ちゃん‥いきなりで悪いねんけど、俺前から花澄ちゃんの事好きやってん。もし今彼氏おらんのやったら、遠距離になってまうけど‥俺の彼女になってくれへん?」
『えっ?!』
ボッと花澄ちゃんの顔が耳まで真っ赤になる
「ちょっと待てサム!!!抜け駆けはずるいやろ!俺やって花澄の事ずっと好きやってん!花澄!俺と付き合ってくれへん?」
『ええっ?!』
ただでさえ背の高い二人に挟まれてワタワタと焦り出す花澄ちゃん
『えっと‥そのっ‥実は私も2人の事‥忘れられなくって、、好き‥だったんだけど‥』
「「マジ?!!」」
ドクッと心臓が大きく跳ねる
『でもっ‥2人とも素敵で‥どっちかなんて決められないから‥ごめんなさい‥』
ぺこりと頭を下げる花澄ちゃんをみてツムが暫く考え込んだ後突然ボソッと話し出す
「‥どっちか決めんでええんちゃう?」
『えっ?!そっそれは‥』
「確かに‥それやったら俺らの彼女って事でええよな?」
『えっ?!えっ?そんな‥?』
頭の上に沢山はてなを浮かべている花澄ちゃんが可愛くてつい抱き締める
「決められへんくて振られるくらいやったらどっちも選んでよ‥ええよな?ツム?」
「当たり前や!俺が言い出したんやからな!」
反対側からツムが花澄ちゃんを抱き締める
『えっ?!でも‥』
「頼む‥どうしても諦められへんかってん」
戸惑う瞳をじっと見つめると困ったように瞳の奥が揺れる
優しくて押しに弱い花澄ちゃんの事やからめっちゃ迷ってるんやろな
「俺からも頼むわ‥ずっと‥ずっと好きやってん、簡単には諦められへんねん」
ツムも見つめると大きな目がさらに大きく見開かれる
『っ‥2人は‥それでいいのっ‥?』