第14章 木兎光太郎 エースの心得
『えっ?!なんで分かったんですか‥?!』
「うーん‥なんとなく!そんな気がしたから!家帰って湿布貼って様子見るか‥」
『せっかくのデートなのに‥すみません‥』
「いーのいーの!花澄が謝る事じゃねーし!それに今日はお泊まり出来る日だよな!!まだまだ一緒とかっ!最高!!」
両手をあげて喜ぶ姿が可愛くてつい笑ってしまう
『ふふっ‥私も‥木兎さんとお泊まり嬉しくて‥楽しみです!』
「なっ?!またっ‥そんな可愛い事言って俺の理性がっ‥!!」
今度はガーンと頭を抱える木兎さん
木兎さんをみているとなんだか元気が出て来て
自分の悩みなんかどうでも良くなるような明るさにいつも救われている
「ダメだっ!もう俺の我慢の限界がすぐそこまで来てる!!」
そう言うと怪我をしていない方の手を優しく引いて帰り道をリードしてくれる
「この道は狭いから一列な!!ちゃんと俺についてくること!!」
狭い歩道を二人で縦になって歩く
目の前にある大きな背中
みんなが憧れて
鼓舞されるエースの背中
頼もしくて
かっこよくて
思わずギュッと抱きついてしまう
「へぁっ?!なにっ?!」
『ご‥ごめんなさいっ‥好きだなって思ったら‥つい‥』
自分で言いながら恥ずかしくなって
赤くなった顔を見られないように背中に顔を押し付ける
「‥‥‥」
突然黙り込む木兎さん
私‥もしかして変な事言っちゃったのかな‥?
「‥ごめん‥」
急に謝られてヒヤリとする
『っ‥私の方こそごめんなさ「ごめん!!やっぱもう無理!!可愛すぎて我慢できないっ!」
『ひゃあっ?!』
お姫様抱っこのように私を軽々と持ち上げると歩くスピードがどんどんと早くなっていく
『ぼ‥木兎さんっ‥?!』
「可愛すぎる花澄が悪いっ!」
『ええっ‥?!』
何のことかも分からずにそのまま私の家に着く
そっと下ろしてもらって玄関のドアを開けるとすぐに中に入って唇を奪われる
『っ‥ぼくとさんっ‥』
「帰ったらしてもいいって言った‥」
唇から首筋にどんどんとキスが降りてくる