第14章 木兎光太郎 エースの心得
木兎side
『だめっ‥木兎さん‥っ‥今からお出かけするんですよね‥っ?』
「そーだけどさー!!もう俺エッチしたい!花澄の事独り占めしたい!」
『で‥もっ‥映画のチケット買っちゃってますよ‥っ』
「くそー!!そうだった‥!今すぐ抱きたいのにっ!」
がっくりと項垂れると頬を染めた可愛い顔で振り返る
『‥‥‥帰ってからだったら‥いいですよ‥』
「っ?!」
段々と小さくなっていく声
恥ずかしそうに一瞬にして真っ赤になる顔
いつもなら恥ずかしがって自分からそんな事絶対言ってくんないのに
「じゃあそれまで我慢する!」
『ひゃあっ!』
華奢な身体をひょいっと持ち上げて立ち上がる
「とりあえずデート行こーっ!」
『おっ‥おろしてくださいっ‥!』
「やだねー!」
恥ずかしそうにわたわたと暴れる花澄を抱きかかえたまま玄関まで降りていく
「んっ!」
そっとおろして
右手を差し出すと嬉しそうにニコッとして手を繋ぐ
『ふふっ‥相変わらず木兎さんの手あったかい‥』
ふにゃりと目尻を下げて笑うから可愛すぎてつい顔を逸らす
子供みたいに小さな手をギュッと握ったまま映画館まで向かう
『木兎さん‥私お手洗いに行ってきてもいいですか?』
「もちろん!じゃあ俺はその間にポップコーン買っとく!」
『いいんですかっ?ごめんなさい‥宜しくお願いします』
トイレに向かう花澄と別れてポップコーンの列に並ぶ
山盛りのポップコーンを胸に抱えたまま椅子に座って待つけどなかなか帰ってこない
お腹痛いのか‥?
いや‥でもそんな事言ったなかったよな?
心配になって女子トイレの方へ歩いていくと案の定2人の男に囲まれている花澄を見つける
「もーーっ!!だから俺の彼女だっつーの!!」
『わぁっ?!ご‥ごめんなさいっ‥』
困ったように眉を下げながら謝る彼女の手を引っ張って男達の間から引っ張りだす
花澄はモテすぎる
そりゃ俺だってこんな可愛い子いたら声かけたくなるけどさ!!