第12章 黒尾✖️研磨 おさななじみ
『な‥なにしてたって‥わ‥忘れちゃった!』
突然そんな事を聞かれるなんて思ってなくて
バッと顔が赤くなる
「ふーん‥そっか‥‥まぁ明日教えてもらうからいいや」
『明日は部活これそう‥?』
「うん‥今のところ大丈夫だと思う」
なかなかお熱を出さない研磨だったから心配したけど
すぐに良くなって良かった!
『そっか〜!良かった!明日また研磨に会えるの楽しみにしてるね!』
嬉しくてつい大声になると
少し沈黙した後にぼそっと研磨の小さい声が聞こえてくる
「‥ほんと‥そーいうところ‥」
『ん‥?研磨?』
「なんでもないよ‥じゃあおやすみ」
『うん!おやすみ!』
電話を切ってそのままうとうとと眠りにつく
翌朝
いつものように準備を終えて玄関で靴を履いているとインターフォンがなって急いで外へ飛び出す
『おはよう!いつもお迎えありがとう!』
「おはよ〜今日も朝から眩しいくらいに可愛いね〜」
相変わらずの寝癖をつけたまま
鉄朗がいつものように私を揶揄う
『研磨お熱下がったって!良かったね!』
2人で研磨のお家に向かって歩き出す
「風邪じゃなかったみたいね〜良かった良かった」
『今日はまた3人で遊べるね〜』
ピンポンを押して暫くするとのそのそと研磨が玄関からでてくる
『研磨!!おはよう!』
「研磨〜!おはよう!」
研磨に駆け寄ってギュッとすると
さらにその上から鉄朗にギュッとされる
「おはよ‥苦しい‥クロは花澄の真似しないで‥」
「なんでよ〜いいじゃない」
『えぇ〜?!私そんな喋り方してる?!』
3人でいつもみたいに笑いながら通学路を歩く
いつも通りの私達
だったのに
放課後3人で今日は私のお家に遊びに来ている時に
急に空気が変わる
「そーいえばさ〜昨日の花澄の寝言、おもしろかったわ〜」
『えっ?!私また寝言言ってたの‥?恥ずかしい‥』
私の隣でコントローラを握る研磨の手がぴくりと反応する
「魔王がなんとか言ってたよ」
『あっ!そうそう〜昨日はね鉄朗が魔王になってでてきたんだよ』