第12章 黒尾✖️研磨 おさななじみ
あっという間に家の前に着いて
鉄朗にぺこりと頭を下げる
『送ってもらって本当にありがとうっ!また明日ね!』
「また明日」
そう言うと大きな手でワシャワシャと頭を撫でられて
おでこにちゅっとキスをされる
『〜っ?!』
「おやすみ」
そう言って手を振りながら私がお家に入るまで最後まで見送ってくれる
『‥おやすみ』
ドアの前で小さく手を振ってお家の中にはいる
『‥ドキドキした‥』
「ふーん?それは恋かな?」
『ひゃあっ?!お兄ちゃんっ?!帰ってたの?!』
後ろから突然声を掛けられてビクッと跳ね上がる
「ついさっきね〜!それで?お相手は研磨?それとも鉄朗?」
お兄ちゃんの顔がグイッと迫ってきて思わず後ずさる
『っ!なんのことか‥わかんないっ‥』
研磨との昨日の事を思い出してから
鉄朗と身体を重ねた今日の事を思い出す
「はいはい‥顔真っ赤だけどね?」
『っ‥夜ご飯の用意する!』
「ん?いつもありがとね?兄ちゃんは研磨と鉄朗なら安心だよ‥どっちを選んでも大事にしてくれると思うな〜」
兄妹なのに私よりも随分と背の高いお兄ちゃんが腰を屈めてニコリと笑う
『う‥うん‥じゃあ着替えてくる‥』
そのまま階段を駆け上がって制服を着替えて一階に降りる
夜ご飯を作って
お風呂に入って
ベッドに潜り込んだ時には随分夜も遅くなっていた
『携帯‥携帯‥わぁ?!研磨から?』
すっかり存在を忘れていた携帯電話を充電しようとカバンからだすと研磨からの着信電話が何件も残っていた
『どうしよっ‥何かあったのかな‥寝てるかもしれないけど‥一回だけかけてみようかな‥』
でも寝てるところ起こしちゃったら‥とか考えていたら手の中の携帯が震え出す
『っ‥もしもし?!研磨っ?どうしたの?』
「それはこっちの台詞‥」
少しムスッとしたような
でも優しい声が受話器の向こうから聞こえてきて安心する
『お熱は‥?大丈夫?』
「下がったから大丈夫‥それよりクロと何してたの?今日遊ぶ約束してたよね?」
『えっ?!』