第1章 月島蛍 ずっと欲しかったもの
月島side
僕の脚の間に収まる小さな身体を後ろからギュッと抱きしめて
首筋に優しくキスをする
濡れた髪の毛を上にまとめ上げているからうなじが見えてとても色っぽい
『ん‥くすぐった‥』
紅潮した顔でこちらを振り向くから
可愛い唇を奪う
『んむっ‥』
今日だけで何回キスしただろうか?
何度だって欲しくてたまらない
『一緒にお風呂っ‥なんだか幸せだねっ?』
唇を離すと満面の笑顔で言うから頭を抱える
「はー‥可愛い‥」
さらにギュッと抱きしめると僕の腕に先輩の腕が絡みつく
『今日はいっぱい一緒にいれて幸せだね〜』
上を向いて僕の胸に頭を預けながらまた満面の笑みを浮かべる
何回も幸せって言ってくれる‥
ほんと可愛い‥
可愛いも今日だけで何回思ったことか
先輩と結婚したら毎日がこんなんなんだな‥
『蛍くん顔真っ赤だよっ?のぼせちゃったかな?!あがろっか!』
「そうかもですね‥上がりましょうか」
顔が赤いのはお風呂のせいにして湯船から2人であがる
『おっと‥と‥』
ふらりと倒れそうになる先輩を支える
「先輩ものぼせちゃいましたかね?」
お風呂場から出てなんとか服を着てからぺたんと床に座り込む頭をドライヤーで乾かしてあげる
『本当にありがとう〜このお礼はまた必ずさせていただきます〜』
真っ赤な顔をしてふにゃふにゃと頭を下げてくる先輩
初めての経験に疲れたんだろうな‥
ドライヤーの髪に靡くサラサラの細い髪
先輩からいつも香ってくる甘くて、柔らかい香り
それが自分からもほのかに香るからドキドキしてしまう
「はい‥乾きましたよ」
優しく頭を撫でてやると嬉しそうに目を細める
『んっ‥ありがとうっ‥』
そう言ってギュッと僕に抱きついてくる
暫く抱き合ってから先輩が僕を見上げてくる
『じゃあケーキの準備してくるね?』
ニコッと笑って小さく手を振りながらお風呂場から出て行った
初めてみる先輩のパジャマ姿
白のてろっとしたシャツに同じ素材のショートパンツ
王道のパジャマスタイル‥こんなに似合う人いるの?
さっきイッたばかりなのに
またゆるりと反応する僕自身
やっぱり‥今夜は寝かせてあげられない気がする
僕たちの初めての夜はまだまだ終わらない
to be continued‥