第12章 黒尾✖️研磨 おさななじみ
黒尾side
うーんと難しそうに眉根を寄せる
いつも3人でよくやる勇者のゲームでもしてんのか?
『鉄朗‥強かった‥勝てない‥』
「ぶはっ‥俺は敵か?」
『‥でも‥倒したく‥なくなっちゃった‥』
綺麗な首筋からゆっくりと背中を撫でる
『んっ‥』
さっきまであんな事してたのに
平和なこの光景がむしろ花澄らしいと思って可愛くて笑いが止まらない
「お姫様はなんで倒したくなくなったんでしょうね?」
とんとんと背中をたたきながら俺もゆっくりと目を閉じる
『魔王の事‥好きになっちゃったから‥』
「へ〜‥好きに‥?魔王を?それって俺のことか?!まさか‥研磨?!」
ガバッと目を開けて花澄の事をゆすってみるけれどもふにゃふにゃと揺れるだけだった
『‥』
「っ?!」
突然ギュッと抱きしめられて
すりすりと猫のように顔を俺の胸に擦り付けて
またそのまま寝息を立てて寝てしまった
たかが寝言だけど‥
「はぁ〜気になるっ!」
柔らかい頬っぺたをつんつんとつついてみるけど
やっぱり一向に目を覚ます気配はない
「仕方ない‥俺も寝るか‥」
諦めて腕の中の温もりを抱きしめて目を閉じる
「‥幸せすぎて俺やばいわ‥」
そのまま俺もゆっくりと夢の中へ落ちていって
目を覚ました時にはすっかり外が暗くなっていた
「‥やべ‥寝過ぎた‥」
枕元で鳴り響く花澄の携帯の着信音
ディスプレイには研磨の文字
「おーい!花澄?起きろー!そろそろ兄ちゃん帰ってくるんじゃない?」
『ん‥』
「ほら!起きなさいってば‥」
『んぅ‥』
下着だけを身につけた無防備な花澄がまだ瞼を閉じたまま俺の腕をギュッと抱きしめる
「‥襲うぞコラ‥」
ムラっとして息継ぎが出来ないくらいに口内を蹂躙する
『んっ‥んんっ‥?!』
ぷはぁっと息ができなくなったところでようやくお姫様が目を覚ます
『わっ?!寝ちゃってた?!ごめんねっ!すぐ帰るから!』