第12章 黒尾✖️研磨 おさななじみ
黒尾side
「‥やっぱりやっくんもそう思う?」
「思うな‥つーか誰が見ても分かるくらい色気ダダ漏れてる」
「はぁ‥やっぱりそうだよな〜‥」
ぽりぽりと頭をかいて
コートの準備をする花澄をみる
周りの奴らも溢れ出る色気に顔を赤らめていた
隣で練習をしているバスケ部までもが顔を赤くして見ているから
さっと花澄を隠すように前に立ってやる
「まさか研磨に先越されるとはな〜」
「先?なんの?」
やっくんが首を傾げる
「ひーみーつ!練習始めるよー!」
その後は気にしないようにしようと思いながらも
視界に入る花澄を見るたびに心臓がドキドキとして中々集中出来なかった
『鉄朗‥今日なんか元気ない?』
部活からの帰り道
一緒に俺の家へと帰る花澄が可愛い顔で見上げてくる
「元気ない訳じゃないんだけどね〜さすが花澄はよく見てんね〜」
『そっか!‥いつもと様子が違うから心配になっちゃって!なんかあったらいつでも相談に乗るから言ってね!』
屈託のない笑顔でニコッと笑って
華奢な小指が俺の小指を絡めとる
『1人で無理しない!約束だよっ?』
「っ‥可愛いすぎんでしょ‥」
本当に
どこまでも俺の心を掻き乱すんだから‥
「それにしても研磨が熱とはね〜珍しい」
すぐに熱出しそうな研磨だけど
昔から意外と研磨は俺達よりも熱を出す事は少なかった
『そうだよね‥昨日2人とも服着ないで寝ちゃってたからなぁ‥』
考え込むように顎に手を当てて想いを巡らせる花澄
「服着ないで寝ちゃってた‥ね‥完全にアウトじゃん‥」
『??』
自分が口を滑らせた事には気づいていない様子の花澄
『お邪魔します‥って‥わぁっ!て‥てつろうっ?どうしたのっ?』
家に着くなり部活バッグを玄関に放り投げて
華奢な身体を抱きかかえて俺の部屋へと連れていく
『鉄朗っ‥ねぇ‥っどうしたのっ‥?』
戸惑う花澄をベッドの上に組み敷く