第12章 黒尾✖️研磨 おさななじみ
黒尾side
土曜日の朝
いつものように幼馴染の研磨と花澄の家に迎えに行こうと準備をしていると研磨からメールが届く
「熱‥ね!了解っと‥」
直らない寝癖をさっと整えて家を出る
花澄は俺達の幼馴染であり
音駒バレー部のマネージャーだった
小さい頃から3人でバレーしてたから
花澄もバレーは出来るけど
なんせ身長が全く伸びなかったから女バレには入らずに俺達のマネージャーをしてもらうことになった
トントンと家のドアをいつものようにノックする
『鉄朗お待たせ!』
いつものように可愛い笑顔で
いつものように可愛い声で俺の名前を呼ぶ
いつも通りのはずなのに
漂う色気
明らかに纏う雰囲気が違うかった
「おはよ〜ってか‥‥昨日研磨となんかあった?」
『昨日‥?えっ?!な‥なんでっ?!』
赤い顔をして取り乱す花澄に
何があったかなんとなく予想がついてしまって
心臓がドキッとする
でもそんな事を今問いただしてしまったら
俺はきっと今から部活どころじゃなくなる
「ごめんごめん!何でもない!」
笑って頭を撫でてやると少し安心したようにホッと顔が緩む
『じゃあ行こっか!』
「競争しましょーかね」
『じゃあ鉄朗はハンデで片足跳びね!』
「ちょっと花澄さんっ?!それはないんじゃない?!部活行く前に俺倒れるよ?」
ニコッと笑って走りだす花澄の手首を掴む
さらりと揺れる柔らかい髪からいつもの甘い香りとは違う
研磨ん家のシャンプーの香りがしてまた心臓がドキッとする
「‥終わってから遊ぶの俺ん家でもいい?」
『うん!鉄朗のお家行っていいの?』
「今日は夕方まで親がいないからね〜」
『あっ!先に走るのずるいっ!』
そのまま学校の体育館まで2人で走っていった
『みんなおはよう!今日もよろしくね!』
「おはよ〜花澄ちゃん!なんか今日いつもと雰囲気違うくない?」
「やっくん‥ジロジロみないの!」
「だーってなんか今日すげぇ女っぽいつうか‥」