第12章 黒尾✖️研磨 おさななじみ
『〜っ?!』
お母さんに聞こえないように耳元でこそっと話されて身体がびくんと跳ねる
『わ‥わたしっ‥お母さんのお手伝いしてくるねっ!』
「ん‥お願い‥」
くつくつと笑いを堪えながら研磨が私の頭を撫でて手を振る
『ドキドキしたっ‥』
「あれ?花澄ちゃんも顔赤いけど大丈夫?」
『ひぁっ?!わたしは大丈夫ですっ!!』
キッチンに行くとにやりと笑う研磨のお母さん
目元が研磨にそっくりでなんだかまたドキドキしちゃう私の心臓
「いつも研磨と遊んでくれてありがとね‥花澄ちゃんと鉄朗君といる時のあの子楽しそうだから私も嬉しくなっちゃってね〜」
『こちらこそですっ!研磨といると楽しいので』
「そーお?良かった!」
2人でふふっと笑い合ってリビングへパンを運んでいく
もぐもぐと食べる研磨だけど
やっぱりしんどそうで
顔もますます赤くなってきた気がする
『ねぇ‥研磨‥やっぱりお熱あるよ‥今日はやめといた方がいいんじゃないかな?』
ご飯を食べ終わった後
くたりとソファに寝転ぶ研磨の横にしゃがんで話しかける
本当だったら今日も部活終わりに3人で遊ぶ約束をしていた
「うん‥ちょっとしんどいから今日はやめとく‥」
『早く良くなると良いな‥』
研磨の熱いおでこにそっと触れると手首を掴まれる
「クロと2人で遊ぶのはいいけど‥昨日みたいな事はしたらダメだからね?」
『っ?!』
「約束‥ね」
私の小指に研磨の小指を絡めるとそのままゆっくりと目を閉じてしまった
朝ごはんの片付けと洗い物をお母さんと一緒に終わらせて
帰る用意をする
『お邪魔しましたっ!お泊まりさせてもらって本当にありがとうございます!研磨‥早く良くなるといいですね‥』
「ありがとね?熱だけだし風邪っていうよりは‥知恵熱?とかな気がするから大丈夫よ!部活頑張ってね!」
大きく手を振ってくれる研磨のお母さんにお礼を言って家に帰る
それから急いで部活の準備をしていると玄関をノックする音が聞こえる
『鉄朗お待たせ!』
今日は土曜日で
午前練習だけだったから鉄朗と一緒に部活に向かう