第12章 黒尾✖️研磨 おさななじみ
「研磨〜!!花澄ちゃーん!朝ごはんそろそろ出来るわよ〜!」
研磨のお母さんの声が聞こえてきてゆっくりと目を開ける
『もう朝‥‥‥ひゃっ!?』
目の前にはまだ目を瞑ったままの研磨
何も身に付けていない私達
「‥っくしゅ」
研磨が目を瞑ったまま身体をふるりと震わせる
『どうしよっ‥風邪かなっ?!お洋服も着てないしっ‥お布団も被らずに寝ちゃった‥』
抱きしめられていた腕からもぞもぞと抜け出して
研磨にそっとお布団をかけてから横に落ちていたパジャマを身につける
「あれ‥花澄起きたの‥‥くしゅっ!」
『おはようっ!くしゃみ大丈夫‥?私は研磨が抱きしめてくれてたからあったかかったけど‥研磨は寒かったよね?』
心地よい研磨の体温に擦り寄って寝ていた私は何ともなかったけれど
目を覚ました研磨の顔はなんだか熱っぽくてだるそうだった
「大丈夫‥下おりよっか‥」
ゆっくりとベッドから起き上がると
先程まで目の前にあった逞しい身体が目に入って咄嗟に目を逸らす
「ふっ‥顔真っ赤じゃん‥さっきまでずっと一緒に寝てたのに‥」
気怠げにTシャツを身につけながら
ふわっと研磨が笑って私の頭をくしゃくしゃと撫でる
その顔が優しくって
昨日の夜も私の事を抱きしめながらこんな顔をしてたっけ‥
なんて思い出すと一気に身体の熱が蘇る
『っ!!』
「もっと真っ赤になった‥何考えてたの?」
くすっと笑う研磨にまた昨日の姿を重ねてさらに体温を上げる
『そ‥そうだっ‥!お母さんが‥朝ごはんできるよって‥!!』
「はいはい‥」
くすくすと笑いながら研磨が私の手をとって
一階まで一緒に降りていく
「おはよ〜!って‥研磨!顔真っ赤じゃない?!」
「っくしゅ‥大丈夫だよ‥っ」
研磨のお母さんがおでこに手を当てる
「朝ごはん食べたら良くなるから‥」
『研磨‥ごめんね‥』
しゅんとして下を向いて謝ると
ピシッとデコピンをされる
『いてっ‥』
「花澄が謝る事じゃないでしょ‥それに‥抱き心地は最高だったよ」