第11章 菅原孝支 抗えない熱
菅原side
数ヶ月後
「「「ぇぇえええー!!!!」」」
朝の職員室から悲鳴にもにた叫び声が聞こえる
まぁ大体察しはつくけどな‥
「おはようございまーす!」
「す‥すがっ‥菅原先生っ‥俺たちの白衣の天使がっ‥」
膝から崩れ落ちる先生達
「白鷺先生がどうかしたんですか‥?」
「どうしたもなにもっ‥左手の薬指に‥指輪がっ‥‥って菅原先生の薬指にも指輪っ?!」
「はぁっ?!なんだって?!」
わらわらとあっという間に先生方に囲まれてしまう
「まさかっ‥同じタイミングで指輪するってことは‥まさかっ?!」
「まぁ‥まさかっ‥てところですね!」
てへっと笑って見せるとみんなの口があんぐりと大きく開く
「このっ‥爽やかな顔して‥ちゃっかり‥俺たちの癒しを‥」
キーンコーンカーンコーン
「さて、朝礼に向かいましょうか!」
「おいっ‥逃がさないからなっ‥!」
悔しそうに俺を見上げる先生達にひらひらと手を振ってホームルームを始めるために自分の受け持つクラスへ向かうと生徒達が深刻な顔をしてひそひそと話している
「おはよー‥ってどうした?!元気ないなっ?!」
「スガせん‥俺達の癒しが‥他の男にとられた‥」
「はぁ?!なんの話‥「待った?!!その指輪‥白鷺先生がつけてたやつと似てないか?!」
俺の左手を掴んで生徒達がわらわらと寄ってくる
分かってはいたけど‥
本当に人気すぎんだよな〜
こんなに一瞬でバレるなんてすごいな
そんなこんなで今日は一日中白鷺先生が指輪をつけてた話題で持ちきりだった
「って感じでさ〜本当にどこまで人気なんだよ〜俺なんか尋問みたいに問い詰められてくたくただべ」
放課後
生徒達がみんな帰ったタイミングで保健室に行くとふわりとした笑顔で俺専用のマグカップを手渡してくれる
『お疲れ様です‥でもきっとそれは私じゃなくて菅原先生が人気なんだと思いますけど?』
自分用にいれたココアをふぅふぅと冷ましながらそんな呑気な事を言う鈍感な俺の恋人‥改め婚約者