第11章 菅原孝支 抗えない熱
職員室からでて更衣室へと向かって歩き出す
菅原先生とご飯‥
嬉しくて顔が少しニヤけてしまうけど
さっきの光景を思い出して胸がチリっと痛む
菅原先生と同期の女の先生はよく2人で仲良さそうに話している所を見かける
背の高いサバサバとした人で
ショートカットがよく似合う元気な先生
私ともよく気さくに話してくれるいい人
『菅原先生はあの先生の事好きなのかな‥』
自分とは真反対の見た目の先生を思い出して肩をすくめる
男子バレー部の顧問は菅原先生で
その女の先生は女子バレー部の顧問だった
『お似合いだな‥』
初めてこの学校で養護教諭をする事になって
不安でいっぱいだった私に菅原先生はいっつも優しく接してくれた
生徒達からも人気のある菅原先生
毎日のように保健室に遊びにきてくれて
他愛もない話をしているうちに明るい人柄にどんどんと惹かれていった
「白鷺せーんせ!ぼーっとしてどうしたの?着替えたら行くよー!」
『わっ!すみませんっ!』
気付くと私の隣でジャージに着替え始める
菅原先生の同期の女の先生がいた
背が高くてかっこいいな‥
「そんなに可愛い顔で見つめられたら女のアタシでも照れるよ?」
『わっ‥すみませんっ‥』
「ほーんと可愛いんだから〜菅原先生も早くしないと他の先生にとられちゃうぞーってね」
ジャージに着替え終わった先生がニカッと笑って私のほっぺたをつつく
『えっ‥菅原先生‥?』
突然菅原先生の話題が出てきて顔が赤くなるのが分かる
「あぁ‥ほんと可愛い‥菅原先生に渡すの勿体無くなってきた‥これでお互い気付いてないんだからどっちも鈍感よねー!」
ギュッと抱きしめられるけれども言っていることの意味が分からずに頭を傾げる
『あの‥菅原先生がどうかしたんですか‥?』
「ん?なんでもないよー!着替え終わったら行こっか!」
2人で更衣室からでて校門へと向かうとすでに着替えを終えた先生達が校門で待ってくれていた
『お待たせしましたっ‥』
ぺこりと頭を下げながら駆け寄ると顔を赤くした菅原先生と目があう
『どうされましたか‥?』