第11章 菅原孝支 抗えない熱
菅原side
俺もバレー部の顧問を終えて職員室で帰る準備をしているとコンコンと職員室の扉を控えめにノックする音が聞こえる
「はいはーい!どうぞー!」
『お疲れ様です!』
ぺこりと頭を下げて白鷺先生が入ってくると職員室が一気に色めき立つ
「わ〜1日の疲れが一気に吹っ飛ぶ〜」
「白衣の天使‥」
生徒達はもちろん
白鷺先生は教師達からの人気も凄まじかった
「お疲れ様っス!!どうしたんスか白鷺先生!」
新任の若い男の先生が近付こうとするのを慌てて間に入って話しかける
「わざわざごめんねっ!ありがとう〜助かった」
『菅原先生!間に合って良かったです!』
綺麗に折り畳まれたズボンからはふんわりと柔軟剤の香りがする
「菅原先生のズボンの行方はここだったのね!お礼にご飯でも行ってきたら?」
にやりと俺たちの方をみる同期の先生は
俺が白鷺先生に片想いしていることを知っている
「えー!!じゃあ皆で行きましょうよー!!俺だって白鷺先生とご飯行きたいですー!」
男の先生達がわいわいと手をあげる
『お礼だなんてそんな‥とんでもないですけど‥皆さんとご飯行きたいです』
皆さんと‥か
少し肩を落とすけれども一緒にご飯行けるチャンスなんかそうそうないからこれはラッキーなんでは?!
「じゃあ‥行ける人はご飯行きますか!」
『わーい!!』
可愛く両手をあげる姿に職員室中の教師が胸を押さえる
「まぁ、チャンスでしょ!隣の席ゲットして頑張って!」
同期の女の先生が俺の肩を組んでこそっと耳元で話す
「このチャンス!モノにするべ」
ニッと笑って返すと
白鷺先生と目が合う‥けど
なんかちょっと一瞬傷付いた顔をした気がする
『じゃあ私着替えてきますね!』
そう言うとぺこりと頭を下げて更衣室へと向かっていってしまった
「さっきの顔はなんだったんだろ‥?」
「もしかして‥ヤキモチじゃない?私達が仲良さそうに近付いてたからさ」
「えっ?!まさか‥いや‥それだったら嬉しすぎて舞い上がるわ」