第11章 菅原孝支 抗えない熱
菅原side
「ったく‥あいつら敬語すら使わねぇんだもんな〜」
『ふふっ‥それだけ菅原先生が親しみやすいって事ですよ』
パイプ椅子に腰掛ける俺の足の間にしゃがんで白鷺先生が冷たいタオルでさっきコーヒーがかかってしまったズボンを拭き始める
『火傷‥してないといいんですけど‥大丈夫ですか?』
「うっ?!うんっ!!大丈夫!!平気平気〜!」
そんなところで俺の顔見上げられたらっ‥
イケナイ事想像しちゃいそうになるわ‥
それにそんなに触られたら‥俺の俺が反応しちゃいそう‥
『なかなかとれませんね‥菅原先生、何かジャージとか他にお着替え持ってますか?』
「へっ?!あ‥いや‥今日は持ってきてないわ‥」
『それか‥良かったら生徒用のジャージがあるんで着替えてもらってもいいですか?菅原先生が帰るまでに洗っときますので』
保健室の奥に行くとタンスの中からジャージを持ってきてニコッと手渡してくれる
「えっ‥でも白鷺先生も忙しいでしょ?!そんなお世話になるわけには‥」
『今日は午前中にやる事大体終わったんで大丈夫ですよ!早くしないとシミになっちゃいますし‥菅原先生が良ければ放課後お持ちしますよ』
それって‥
放課後にまた会える口実になるんじゃ‥
「じゃあ‥お言葉に甘えてお願いしようかな!」
白鷺先生からジャージを受け取って立ち上がる
『はいっ!ではカーテン閉めますのでお着替えしてください』
ベッドのある方へ行ってズボンを履き替えてさっきまで履いていたシミのついたズボンを手渡す
『じゃあ午後も頑張りましょうね?また放課後に』
「ほんと助かるっ!じゃあまたね!」
俺のズボンを大事そうに両手で抱えて天使の笑みで見送られる
白衣の天使とはまさに白鷺先生の事っしょ‥
「はぁ〜‥午後からも頑張れそ!」
その後は生徒用のジャージを履いてる俺を見て
職員室の先生達にも
生徒達にもイジられっぱなししだった
放課後
生徒達はみんなそれぞれ部活動を終えて帰路につく
あんなに賑やかだった校舎がシンと静まり返る