第10章 天童覚 手に入れたくて
天童side
俺の腕の中ですやすやと眠る小さな身体をギュッと抱きしめる
「さすがにやりすぎたか‥」
さらりと柔らかな前髪をよけて形のいい綺麗なおでこにキスをする
でもあんな可愛い姿であんな可愛い事言われたら誰でも無理だよね〜
「きれいな顔‥」
閉じた長い睫毛が影を落とす
さっきまであんなに乱れて‥俺の事求めて‥
「やべ‥思い出すだけで勃っちゃった」
すでに今日は2回もシているのに
まだまだ抱きたくて仕方がない
「まぁ‥もう俺の彼女だし?起きてからまた‥」
手に入れたくて仕方がなかった花澄ちゃんが
今は俺の腕の中で眠っている
「はー‥幸せ‥」
ふわりとシャンプーの甘い香りが香る柔らかな髪に顔をすり寄せる
この幸せな気持ちをどうしても伝えたくなって携帯電話を手に取る
「もしもし?若利君?」
「電話かけてくるなんて珍しいな‥どうした?」
「あのさ〜前俺の事応援してくれるって言ったじゃん?あれ、嬉しかったんだよね〜」
「それは良かった。今も嬉しそうな声をしているな?」
電話越しの若利君の声がふっと柔らかくなった気がした
「さすが若利君‥やーっと花澄ちゃんが振り向いてくれたからさ?報告?」
「それは良かった‥白鷺さんも天童を見るときの顔がいつも嬉しそうな顔をしていたからな‥俺はこれからも2人のことを応援してるからな」
「若利君そーゆうところ鈍感そうなのに意外‥それにしてもありがとうね」
親友?と呼べる唯一の存在にそんな風に言ってもらえて
嬉しくてなんだかソワソワした
『ん‥さとり‥?うしじまくんとおでんわ‥?』
腕の中に抱きしめていた花澄ちゃんがもそもそと動き出す
「じゃあな‥天童」
花澄ちゃんの声が聞こえたのかさらに若利君の声が柔らかくなった
「じゃーね若利君」
電話を切って花澄ちゃんをみるととろんとした大きな目で俺を見上げている
『だいじょうぶ‥なにかあったの?』
「んー?報告?」
『うれしそうなこえしてた‥おめでとう』
ふにゃりと笑うとまた目を閉じる
「ありがとう」