第10章 天童覚 手に入れたくて
私の彼氏はなぜか天童君と話していたら機嫌が悪くなる
なんでなんだろう‥
天童君は確かに何を考えてるか分からない時もあるけど
それでも楽しそうにバレーをしている姿をみるのが私は好きだった
自由で
ふらふらとしてて
一緒に話してても楽しくって
牛島君と天童君と話しながら帰る時間も大好きだった
そんな時に
隣のクラスのバスケットボール部の部長さんが何回も何回も告白してくれて
あまりに一生懸命告白してくれるから
付き合う事になったんだけど‥それくらいから天童君が私によく触れてくるようになった
何を考えているかわからないような
猫のような目をしているかと思うと
急に熱を帯びた視線を感じて心臓がドキッとする
長い指で触れられるとまたドキドキして‥
「俺‥初めて見た時から大好きだったんだよ‥それでも白鷺さんは学校中のアイドルでさ‥まさか俺の彼女になってくれるなんて夢にも思わなくて‥だから俺今死ぬほど幸せなんだ」
気付くと彼氏が私の両手首をギュッと掴む
『あ‥ありがとうっ‥』
「他の男に触れさせたくもないんだよ‥だから頼む‥天童と距離‥おいてほしい」
目を見開いたまま
私を掴む手に力が入る
グッと近付く距離に少し怖くなって目を逸らす
『天童君は私の大事なお友達なのっ‥』
「それにしても‥あんまりいい噂聞かねぇし‥やっと手に入れた彼女の事横取りされんのだけは絶対嫌だからさ‥頼む」
そんな事言われても‥
天童君はバレー部のチームメイトだし
クラスも一緒で席も後ろで‥
何より大事なお友達なのに
『っ‥でも‥んむっ‥』
なんとか説得しようと目を合わせると
そのまま少し乱暴に唇を奪われる
「トイレトイレ〜っと‥学校の廊下でキス‥ねぇ?」
『〜っ!』
天童君がいつもの不敵な笑みを浮かべて通り過ぎる
『っはぁ‥はっ‥』
「ご‥ごめんっ‥俺‥つい‥」
『だ‥大丈夫だよっ‥!』
「とりあえず‥また部活終わり迎えに行く」
そう言うと私の頭を撫でて帰っていった
キスをしているところを見られてちくりと痛んだ胸
この‥もやもやはなんだろう?