第9章 影山飛雄 可愛いのは
影山side
花澄さんとわかれた後に教室に戻ってたこ焼きをひたすらに作る
早く会いてー‥
可愛い花澄さんのチャイナドレス姿が頭から離れなくて心臓がまだドキドキとしていた
「なぁ影山‥白鷺先輩めっちゃイケメンの男の人と仲良さそうに歩いてたぞ?」
「花澄さんが影山と付き合うなんておかしいと思ったんだよね〜あれが本当の彼氏でしょ?王様の勘違い恥ずかしいね?」
「は?んなわけねーだろ?」
心配そうに話しかけてくる山口と
いつものようにバカにしたような顔で月島が去っていく
「勘違いじゃねーし‥ちゃんと付き合ってる‥はず」
そう言いながらも少し自信がなくなって小声になる
だってさっきまであんなに‥
あんな事‥したし‥
さっきの事を思い出して身体の熱が一瞬で蘇る
と共に目の前の光景に身体がびくっと跳ねて動けなくなる
190センチを超えていそうな長身のすらりとしたスーツ姿の男が
花澄さんの頭を親しげに撫でている
テレビにでも出てきそうな整った顔なのは俺でも分かった
そんな男を拒むでもなく
あの可愛い顔で見上げて何か笑いながら話している
胸がモヤっとして
気付いたら俺は2人の前に歩き出していた
「あのっ‥俺の彼女に何か用っスか?」
花澄さんみたいに色素の薄い大きな目を睨みつけながら話しかける
『か‥影山くんっ?!』
「影山君‥影山飛雄君?!」
目が合った大きな目がさらに見開かれて
次の瞬間には両手をガシッと掴まれていた
「は‥?なんで俺の名前知って‥」
「花澄がお世話になってます!君が飛雄君!!イケメンだね!バレーがすっごいうまくってカッコいいってよく花澄が言っててね〜君の話は散々家で聞いて‥」
『お兄ちゃんっ‥!恥ずかしいからあんまり言わないでっ‥』
「おにい‥ちゃん?」
ハッとその人を見上げると確かにどことなく花澄さんを感じる整った顔
色素の薄い髪