第9章 影山飛雄 可愛いのは
その後も思ったよりも沢山お客さんがきてくれて私達のクラスは大盛況だった
『ゆ‥夕‥こんなにお客さん来ると思わなかったね‥』
あまりにも忙しくてクタクタになった私はやっと休憩に出させてもらった
「すごかったなー!まぁ‥殆どのお客さんが花澄目当てだったけどな!」
『わたし‥?なんで??』
言っている意味が分からずに首を傾げていると夕がくしゃくしゃっと私の頭を撫でる
「それより‥影山のクラス行くんじゃなかったのか?そろそろ終わっちまうぞ!」
『そうだった!!急がなきゃっ‥じゃあね!!夕!』
「おー!!気をつけてな!ついていこうか?」
『大丈夫だよっ!ありがとうね!』
急いで廊下にでて一年生の教室へと向かう
「花澄っ!」
後ろから突然名前を呼ばれて振り返る
『お兄ちゃんっ?仕事は‥?!』
スーツを着たお兄ちゃんが沢山の女の子に囲まれて立っていた
「花澄の文化祭一回は来てみたくってさ‥抜け出してきた!それに‥飛雄君にも会ってみたくて‥‥‥ってそれにしても俺の妹可愛すぎない‥?そんな格好して大丈夫?お兄ちゃん心配‥」
『え〜!大丈夫なの?!飛雄君には今からちょうど会いに行くところなの!』
「じゃあ一緒に行こうか!‥と言うわけでごめんね?」
そう言うと女の子達に何か話してバイバイとお兄ちゃんが手を振る
周りの女の子達と何を話していたかは分からないけど皆んながそれぞれ納得して帰っていく
「美男美女兄妹‥推せる‥」
「このへんじゃみない死ぬほどイケメン来たと思ったら白鷺さんのお兄ちゃんだったんだ‥遺伝子最強‥」
バイバイと手を振ってくれる女の子達にぺこりと頭を下げながらその場を去る
「周りの男達の視線がすごいな‥」
『ん‥?そうかな‥?お兄ちゃんがスーツ着てるから新しい先生来たのかなー?って思ってるんだよ』
ふふっと笑うと大きな手でくしゃっと頭を撫でられる
「ほんとお前は‥小さい頃から鈍感だな‥」
『鈍感じゃないもん』
月島君より背の高いお兄ちゃんを見上げて言い返す