第9章 影山飛雄 可愛いのは
力の抜けた私の身体を支えながら影山君が階段を降りていく
「おーい影山ぁ〜!!そろそろ店番だぞ!」
一年生の教室の前を通ると影山君のお友達が待っていた
「わりぃ‥すぐ準備する‥」
「おー!それよりお前ハチマキは‥?」
「なくした」
「はっ?!なくした?!」
影山君の前に立つお友達の間に入ってぺこりと頭を下げる
『遅くなってごめんなさいっ‥!頑張ってくださいね!影山君もまた後で!』
「いっ‥いえ!!!はいっ‥!!がんばりますっ!!!」
ビシッと私に敬礼をして頭を下げる影山君のお友達
その横で小さく手を振る影山君にバイバイをして急いで私もクラスに戻る
「やっと帰って来た〜!!俺らだけじゃお客さんブーブーうっせえの!」
私達のクラスの出し物はチャイナカフェで
男の子達も全員チャイナドレスを着て接客をしている
女の子は大体裏方でお店に出すドリンクとか作ってるんだけど‥どうしてもってお願いされて私もチャイナドレスを着ることになった
『遅くなってごめんなさいっ‥』
お店に戻ると待っていたお客さん達が手を振って出迎えてくれる
「おー!!噂のチャイナドレス‥これよく影山許してくれたな〜?」
『スガさんっ!!大地も‥!旭さんもありがとうございます!』
真ん中のテーブルに菅原さんと大地と東峰さんが来てくれていた
「すっげー可愛いな‥本当‥何で俺じゃなくて影山なんだ?」
『大地‥?』
「ごめんごめん!何でもない!俺らも店番あるからそろそろ戻るわ!会えて良かった!」
大地達がテーブルから立ち上がって帰っていく
『ありがとうっ!じゃあまたね!』
「花澄ちゃんまたね〜!!頑張ってね!!」
「変な奴に手出されそうになったらすぐに周りに助け求めなさいよ?」
『だいじょーぶだよっ!ありがとう!』
「俺がいるんで大丈夫ッス!!!」
チャイナドレスを着た夕がやってきて私の肩を抱く
「西谷っ‥太腿っ‥ムチムチすぎるっ‥」
旭さんが吹き出す横で菅原さんも大地もお腹を抱えて笑っている