第9章 影山飛雄 可愛いのは
影山side
白い肌によく映える真っ赤な口紅を纏って
妖艶にニコリと微笑む
唇の横にある小さなホクロと
泣きぼくろがいつにも増してエロくみえる
「ねーねー!そこの青いチャイナドレスのお姉さん!こっちにもきてよー!」
先輩が呼ばれてくるりと振り返る
『はーい!すぐ行きます!‥じゃあね!』
小さく手を振って隣のテーブルへと行ってしまった
そのテーブルの奴らはもちろん
周りのテーブルや順番待ちしてる奴らまで先輩の写真を撮っている
「影山‥改めてお前の彼女すげぇな‥」
友達がポカンとした顔をしたまま俺の肩にポンと手を置く
その後も先輩見たさに押しかけた客が大勢いて
全然喋れなかった
出てきたドリンクを飲み干して自分の教室へと帰る
「おーい影山ぁー!!店番がどこ行ってんだ!ほら!たこ焼き作るぞ!」
その後も黙々とたこ焼きを作るけれども先輩の事が気になって全くたこ焼きどころではなかった
「影山〜!花澄さんのクラス行ったか?!すっげぇ人!!そりゃあんな可愛い人があんな格好してたら人気でるよなー!!」
「うっさいボゲ日向!」
「おー!影山がたこ焼き焼いてる!」
日向の後ろから菅原さんがひょこっと顔を出す
「確かにあの格好は反則だよなー!そりゃ人も群がるべ!」
熱々のたこ焼きを菅原さん達に手渡すとポケットに入れていた携帯電話がメールの受信を知らせる
『さっきは全然話せなくってごめんね!まさか来てくれると思わなくてびっくりしちゃった!休憩時間になったからそっちに向かうね!』
時計の針をみると丁度12時を指している
「影山ー!交代の時間!」
交代のクラスメイトがやってくるなり教室を飛び出す
案の定廊下の向こうのほうが騒がしかった
早くしないとまたナンパされてるはず‥
人だかりができている方へと近付いて行くとたくさんの男子に囲まれた先輩が困ったように辺りを見渡している
『あのっ‥たこ焼き屋さん探してて‥通してもらってもいいですか?』
「えーマジでめちゃくちゃ可愛いんですけど!!ちょっとでいいから俺らと遊ぼ?」