第9章 影山飛雄 可愛いのは
影山side
文化祭当日
頭にねじりはちまきを巻いてハッピを身につける
「影山〜!準備終わったからチャイナカフェ行くべや!」
クラスの出し物の準備を終えて
人で賑わい出した校舎を歩く
「すっげぇ人‥ここだけ人気ありすぎるだろ!」
先輩のクラスの前につくと教室の前には行列が出来ている
「いらっしゃいませー!みんな順番にこっち並んでねー!」
「っ?!」
先輩のクラスから出てきた店員らしき男子がチャイナドレスを着ている
深くスリットの入ったチャイナドレスを纏ったその人を見て嫌な予感に冷や汗がでる
まさか‥あんな服着てないだろうな‥?
ドキドキと順番を待っていると中から出てきた男子達が嬉しそうに顔を赤くして騒いでいる
「マジで眼福‥」
「白鷺先輩のチャイナドレスは反則だよな〜絶対このクラスが売上一番だべ」
「そーそー!可愛いやらエロいやら‥俺なんか写真撮ってもらったし!」
ワイワイと去っていく背中を見て頭を抱える
花澄さん‥チャイナ服着るなんて言ってなかった‥
知ってたら何としてでも止めたのに‥
モヤモヤとしているうちに俺らの番がきて中にはいる
『いらっしゃいませ〜!って‥飛雄くんっ?!』
「っ!!」
光沢のある濃い青のドレスに黒い刺しゅうが入ったチャイナドレスは先輩の大きな胸のラインから細いくびれをしっかりと拾い上げて
深く入ったスリットからは太腿がみえて白い足がすらりと伸びる
「その格好‥『その格好可愛いね!お祭りみたいだね〜!』
俺が話そうとすると嬉しそうに駆け寄ってきてニコニコと笑っている
『来てくれたんだね!影山君のお友達もありがとうございます!こっちどうぞー!』
俺の隣で友達も顔を真っ赤にして固まっている
こんな格好を他の男の前でするなんて‥後でお仕置きだな
案内された椅子に腰掛けるとメニュー表を渡される
『決まったら呼んでね?』
「うス‥」
クラスメイトにしてもらったのか
長い髪をふわりと巻いて
いつもはポニーテールしている髪を下ろして片方に流している