第7章 及川徹 兄妹の秘密
及川side
こんなところにキスマークつけるなんて
そんな行為をしていないとつくはずもない
顔を赤くして入ってきた花澄はどこか浮き足立っているように見えて
無理矢理された訳ではなさそうだった
「このしるし‥誰がつけた?」
「友達とするよーな事じゃねーよな?」
ずっと俺だけのモンだと思ってたのに‥
まさか横取りされるとは
怒りが声に滲み出ていたようで花澄がおそるおそると見上げてくる
『ごめんなさいっ‥言おうと思ってたんだけど‥』
「誰?」
俺の花澄に手出した奴
『っ‥岩泉‥さん‥』
「っ!」
突然の親友の名前に心臓がドキッとする
そうだった‥岩ちゃん花澄の事狙ってたじゃん‥
てか岩ちゃん‥いつの間にっ?!
『岩泉さんが誘ってくれて‥及川さんといつもする事‥したの‥でも岩泉さんが付き合ってる2人でもするんだって‥んっ』
それ以上は聞きたくなくて小さな可愛い唇を俺の口で塞ぐ
そりゃ‥本来はそうなんだけど
花澄を繋ぎ止めるための嘘が
いつかバレてしまうんじゃないかってドキドキしてた
嘘はバレてないみたいだけど
恋人同士でするものだと知ってしまった
「いつから付き合ってたの?俺聞いてないけど?」
2人がよく部活中に顔を赤くしてるのは何回も見たことあるけど‥それは出会った時からそうだったし
いつからだ?
『んんっ‥いっかげつ‥まえっ‥何回か言おうとしたんだよ‥?』
おそるおそる俺を見上げる大きな瞳
ぷつんと俺の中で我慢の糸が切れてしまう
岩ちゃんの‥
大事な彼女かもしれないけど
俺にとっても大切で愛しくて可愛い妹だ
岩ちゃんにだって譲るつもりはない
「こんなんだから岩ちゃんにうんこ野郎って言われるのかなー?」
『わっ?!』
華奢な身体を抱き上げて
俺の部屋のベッドの上まで運んでやる
『お兄ちゃんっ‥なにするの‥?』
「こーゆう事する時は名前で呼んでって言ったよね?」
『っ!!』