第6章 木兎光太郎✖️赤葦京治 閉じ込められた部屋の中
木兎side
怖がる花澄が俺の手をギュッと握っている
初めて会ってから大好きになって
梟谷のマネージャーやってくれるようになってからさらに大好きになって
なんとか距離を縮める方法がないかと考えて考えて‥たどり着いた方法がこれだ!
花澄が怖がりなのも知ってたし
これで頼れる男ってところを見せたらいけるんじゃないかと思ったから
『そうですよねっ‥せっかく木兎さんが誘ってくれたのに‥頑張りますっ‥』
「無理しなくていいんですよ‥?」
赤葦が心配そうに覗き込む
俺は花澄の事が好きだけど
多分赤葦も花澄の事が好きだ
何でかって言われたらうまく説明できねーけど
見てたら分かる
だから1人で抜け駆けすんのはなんか悪いなって思って
赤葦も誘ってみた
『無理‥しないっ‥けど‥怖いから‥ずっと手は繋いでて欲しい‥』
「当たり前だ!!」
『木兎さん‥赤葦君も‥ありがとうございます』
小さく震えている手をギュッと握り返すと潤んだ瞳で見つめられてドキッとする
本当は無理矢理連れられてきてるようなもんなのに
ありがとうなんて言う花澄はほんとにいい子で純粋でやっぱり可愛い奴だ
「あかーし‥行くぞっ!」
「はい‥花澄さんも怖がってますし、本当に少しだけですからね?」
俺たち2人の手をギュッと握りながら恐る恐る校舎の中へと入っていく
『きゃあっ?!』
ギッ‥と床が軋む音が花澄がビクッとして俺に抱きついてくる
「む‥胸がっ‥あたっ‥あたって‥」
急に抱きつかれてゼロになる距離に心臓がバクバクと大きな音を立てる
柔らかい身体に大きな胸が密着していて‥
俺の俺がヤバいかもしれない‥!
『なんか音‥音がしましたっ‥!!』
取り乱した花澄は俺に抱き着いたまま泣きそうな声で話しかけてくる
「大丈夫ですよ‥床が軋んだ音のようです」
赤葦が冷静に、でも優しい声で花澄に話しかけながらさっと手を差し出す
あれ?なんかこれ赤葦の方がかっこいい?!
『ありがと赤葦くんっ‥』