第5章 澤村大地 剥き出しの嫉妬心
澤村side
『だいちっ‥ごめなさっ‥』
泣きながらその場に立ち尽くす花澄に駆け寄って小さな身体をギュッと抱きしめる
「怖かったなっ‥守ってやれんくてごめんっ‥花澄の事‥何よりも大事にしてたつもりだったのにっ‥!!!」
『大地‥謝んないでっ‥私が悪かったの‥それに大地が守ってくれたから警察きてくれたでしょ‥?』
あんな事されて
小さな身体は小さく震えてんのに
俺を見上げてふにゃっといつもの笑顔で見上げてくる
優しい花澄が
落ち込む俺を元気づける為に笑っている
悔しくて溢れる涙を拳で拭う
『泣かないで大地‥次からは気をつけるから‥大事にしてくれてたの私知ってるから‥ね?』
小さな両手が俺の両頬を挟んでグイッと顔を引っ張られる
そのまま顔が近付いてきて
ちゅっと口付けをされる
「っ?!」
『大地が来てくれて嬉しかった‥!助けてくれてありがとう‥大好き‥』
「っ!!俺も‥大好きだ‥」
奪われたかもしれない唇を上書きするように
何度も口付けを落とす
暫くすると警察の人が近付いてきたみたいで軽く咳払いをしてから話しかけられる
「こほん‥えっと‥お取り込み中のところと‥心身共にお疲れのところ本当に申し訳ございません‥良かったら署の方で話聞かせてもらえないでしょうか‥?」
花澄の身体がピクッと揺れる
「すいません‥今日は‥他の日にしてもらうことは可能ですか?」
花澄をこれ以上傷付けたくなくてそう返答するけども
クイッと裾を引っ張られる
『あっ‥あのっ‥大丈夫ですっ!お話‥できますっ!その代わり‥この人‥私の‥かれ‥にもついててもらってもいいですか‥?』
ギュッと手を握られてドキッとする
その顔を見つめると頬を赤く染めてチラッと俺の顔を見上げてくる
「もちろん!ご協力感謝します!あまりご負担にならない様に出来るだけ早く終わらせますので!終わり次第ご自宅まで送迎しますね!」
女性の警察官が優しく微笑んでくれた
そのまま一緒に警察へ行って
それぞれ話をして
花澄の家まで送ってもらって
その間もずっと手を握ったままだった