第4章 占いは信じなくても当たる時は当たる・後沖田視点【星の砂⭐︎】
「いいか、一緒に寝てやってもいいが絶対こっち寄るんじゃねェぜ」
『うん…』
少し嬉しそうに俺の隣に横になる大石
これは間違いなく黒歴史になるな…。
大石に背を向ける形で布団を深く被り、そのまま目を閉じた
少しして背後から規則正しい寝息が聞こえてくる
「ってもう寝たのかよ…」
そんなツッコミも虚しく、振り向くと大石はぐっすりと眠っていた
安心したような顔しやがって…
「ムカつく…」
これだけ近くにいたって何も出来やしねェ。
例え俺が今のこいつに何か言ったって…こいつが平河を…アイツを想ってる限り何も変わらない。
「不毛だよなァ」
それでも
それでも俺は
- 平河隊長ー!-
もう二度とコイツが悲しまずに済むのなら
- 沖田隊長! -
これからもずっと笑っていられるのなら
例えその時、お前の隣にいるのが俺じゃない他の誰かだったとしても
俺はそれを望むだろう。
眠る大石の前髪にそっと触れる
「なァ…だから早く戻れよ大石…
そんでまた…
餡蜜食いに行こうぜィ」
大石の頭を撫でそっと微笑むと、彼女は眉間に少し皺を寄せ肩を震わせた
俺はそのまま包み込むようにその小さな身体を抱き締めた
温もりと心臓の音が生きていることを感じさせる
「大石…」
その確かな温もりを感じながら俺は静かに目を閉じた